全話

たまこまーけっと

小柄な老職人・元ロック少年の坊主頭・おねえ口調の花屋・ぽっちゃりパーマなどなど、出てくる男たちは当然のように男臭さが消されている。各話に散りばめられたお餅モチーフや円・丸を基調とした意匠からも伝わってくるが、ありとあらゆるものが可愛いで構…

ラブライブ!

架空アイドルを描いてきた作品は数あれど、1話でも1年でもない、1クールという短い期間を全力で走りきったのがラブライブ!だろう。 リズムを取る・歌うといった身体感覚で話が動き出し、吹きすさぶ風や斜光といった自然現象が画面を彩る。 【廃校を防ぐため…

スマイルプリキュア

どんなに辛い記憶や現実でも、とかく彼女たちは明るく、楽しく、前向きに解釈する。そして全力で立ち向かう。原色系のキャラクターの笑顔を描き、背景を自分たちの色に染め上げる。 毎話個性的かつシンプルでレインボーに光り輝く作品は、とても眩しく刺激的…

さくら荘のペットな彼女

アニメーター・ライター・プログラマー・漫画家・声優・ゲームデザイナーと創作活動に明け暮れる高校生たち。創造する才能、創作物への評価、そんな両軸をテーマとして物語は進み、数々の行事を経てさくら荘という一つのキャンバスで締めくくられる。作中人…

GJ部

『GJ部』グッジョブ! 女性だけの集団の中に男性が一人。そこでは男として振る舞う事を禁じられつつ、喚起するモーションを仕掛けられる。四季をあてがわれたヒロイン達との関係を崩しかねない、空気を読まない後輩も入部する。そんないつ壊れるかもわからな…

K

おい、PVのangelaの楽曲流れなかったぞ! 監督とキャラデザを同とした、やりたい事とやるべき事が一致するとき、世界の声が聞こえる映像だった。まぁその声は別に私の求めるものではなかっただけの話。

めだかボックスアブノーマル

1期と比べると演出的、画面充実度に乏しいものが目立ち、ジャンプ的バトル展開と併せて終始辟易としていた。痛々しい映像化は、痛々しい内容と合わせて、実に痛々しい結果となって、西尾維新的な納得度は高い。その上で西尾維新脚本のGAINAX的最終話オチを面…

神様はじめました

めっちゃ面白い話もあるけれど、女が拗ねて男になだめられて惚れ直すというエピソード事態は起伏が少なくマンネリ化していたので盛り上がりに乏しかった。

お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ

これについては何も凝って捻った言い回しが出来ない。生真面目に愛を叫び続ける木戸衣吹の演技がひたすらに尊い。

ToLOVEるダークネス

ダークネスは美少女ゲーム化が進んだ作品だ。それはラッキースケベという饗宴、つまり偶発かつ断絶的なエロ描写のためにほぼ進展しなかった関係性を、若いサキュバスが適切にコントロールしていく事で進展させる。 そんなゲーム思考の構成のためにあてがわれ…

中二病でも恋がしたい!

中二病とは何か。【思春期の頃の自意識形成過程による妄想】【一生付き合っていかなければいけない自意識過剰の齟齬】そのように最初と最後に大塚芳忠のモノローグで敢えて定義してみせた。 しかしその言葉にどれだけ意味があるのだろうか。正直全く頭に入っ…

ソードアート・オンライン

新作ゲームをプレイしようとしたら仕様と異なっていたり、攻略不能だったりと、とにかく裏切られ続ける。届かない事が目に見えてわかってしまう。それでも私たちは、プレイし続けるんだ。意味なんてない。ただその先を見たいから。

となりの怪物くん

序盤のお互いが好きだと言い合ったのが嘘のような遠回りする関係。急変する事態、脈絡ない感情と、色々なキャラの内面は語られているのに時折覗くゾッとする表情。その描写≒コミュニケーションが酷く暴力的で、実態を掴ませない、胡乱な作り。 散々焦点を分…

武装神姫

みなしごハッチやガンバの冒険、ニルスのふしぎな旅といった様々な小人たちの視点作品は夢がある。自分たちと何ら変わらないキャラクターが小さな世界を旅するワクワク感。 一方トイ・ストーリーは知らないところで自分の持っているおもちゃが動き出す。おも…

てーきゅう

原作漫画よりも速い映像作品というのが新鮮。その速さに演出・演技を込める技術にただただ圧倒されていた。 演出・作画・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン・音響監督・監督に6話まで原画動画を板垣伸一人で手がけたこの手法は、ひとつの完成形として今…

ひだまりスケッチ×ハニカム

3年生の修学旅行から、受験の悩みを経た不在の初詣など、代替わりのためのエピソードが並ぶ4期。 6本コンテを切った佐々木満とシリーズディレクター八瀬祐樹。カメラの寄り引きで戸惑いを描き、様々な光のモンタージュで先を照らす。静と動の非常に叙情的な…

恋と選挙とチョコレート

好きな演出家がとうとう監督に!の薄まり感半端なかった。各話で本気を出せない感じが伝わって辛い。伝家の宝刀が抜かれない、ゲージ3つ溜まってるのに使う機会を逃した感じ。

じょしらく

女の子の私服と声すっげぇ可愛かった。後藤沙緒里さんの落語力半端無かった。でも驚くほどつまらなかった。シャフトの絶望先生2期のオリジナル回最高という揺るぎない事実!

ココロコネクト

久々に観ていて辛い作品だった。登場人物のトラウマを強制的に暴き立て、関係を煽る紡ぎ手への嫌悪感でいっぱいに。そのストレスとプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、傷つき、傷つけながらも進み、肯定的に受け止める彼ら彼女たちに少し嫉妬し…

ガンダムAGE

3世代主人公という前評判は伊達じゃない、世代に伴うガンダムの更新が宇宙世紀と対応するというアイデアと、描写の進化具合が非常に面白かった。当初もっさりとした特撮メカアクションが、最終的にキャラクターの如き自由な線で描かれるなんて思いもしなかっ…

ファイ・ブレイン 神のパズル 第二シーズン

遊戯王のような特定ゲームに縛られていないため、物語とリンクするパズル描写の意図を探るのが楽しい。 男子高校生のガチパズル対決は、前クールから命のやりとり要素がなくなった今、少年時代のあの頃の延長線上で微笑ましいものがあった。それを呆れつつ眺…

だから僕は、Hができない。

まず男と女の契約ありき。男が力を増大させるために女は脱ぎ、女が脱ぎやすくするために男は褒める。単調な反復によるマンネリ感から突然訪れる、なぜこの関係を結んだのかという気付き。そんな成人向け漫画のような構成が印象的。 二人の立ち位置が何度も逆…

夏雪ランデブー

花を植え替えるモチーフで描かれた寝取られモノ。ただしこのモチーフが抜群にうまい。涙で根が腐り、空気が淀むように漂う幽霊。パンアップ・ダウンという切花を意識したカメラワークと、二人が寄り添う鉢のイメージのレイアウト。色彩は艶やかで力強く、音響…

ゆるゆり♪♪

2期の何が良いかって、主要キャラの紹介に時間が割かれなくなったことで、脚本の自由度が上がることだろう。特にレイアウトに加えてアバンを含めたメタ的にも顕著になった赤座あかりいじりと、ゆり度を高める二人のカップリング描写が濃密になった。前クール…

輪廻のラグランジェ

乗り物型のロボットという身体拡張装置を使って地元にしか行かない、行けないフラストレーションの溜まる展開。そんな鬱屈した感情を動力源として自らの思いの叶う場所へと移動するも、その向かう先はやはり地元だった。 内に潜るように、籠もるように想いは…

カンピオーネ! 〜まつろわぬ神々と神殺しの魔王〜

自然災害は【神々の争い】であり、それを鎮めるための【舞うような戦闘】や、様々な能力の【アイコン】というように、漠然とした力が具現化した世界。だからこそ真実は【剣】となり、言葉という別の形に変換することで相手を無力化する事ができる。 そんな世…

織田信奈の野望

『信長の野望』大好きな男が戦国武将が女性だったらという世界で、ゲームの知識を活かして生き抜く話。 史実をなぞった雑兵がバッタバッタと死んでいく現実度合いで、そんな無茶なプロットを押し通せたのはキャラクターデザインやシリーズを通したモチーフカ…

DOG DAYS'

1期が一夏の冒険(オトコノコ編)だとしたら、2期は一夏の冒険(オンナノコ編)な、夏休み明けで雰囲気がガラっと変わった彼女というガジェット群。 彼が以前体験したセカイはこんなにもステキな事に満ち満ちていた。ハーレム構造に無頓着な彼女への「大人にはな…

境界線上のホライゾンII

様々な男女の矜持が世界を支える柱である。原作世界を起源として物語構成から映像規則の細部に【II】を宿らせるその病的なまでの徹底ぶりに感動した。

氷菓

ミステリー小説とは誰がため。 省力主義の少年と、ひょうひょうとした少年と、一所懸命の少女と、好奇心旺盛な少女という古典部の4人が、日常の何気ない疑問に対して、埋もれていた事象を拾い上げ、推論を組み立てる。どれも省力主義の少年の目線で淡々と語…