映像で選ぶ、2011年アニメOP・ED・劇中音楽3選

5年間同じフォーマットを使ってきましたが、いろいろと建前が多すぎたように感じていたので、思い切ってタイトルごと変更しました。
コンセプトは【気軽に】【わかりやすく】。自分が今年好きだったOP・ED・劇中音楽を映像観点で3作品ずつ選びました。
この記事のために毎クールごとにOP・EDのメモを残しているので興味がある方はコチラへ。

OP

ED

劇中音楽

OP


とある魔術の禁書目録IIOP2 〜インデックスさんまじヒロイン〜
以前も熱っぽく書きましたが、別フレームに描かれる登場人物達を渡り歩く主人公。その立ち止まる場所にヒロインが存在するという安心感。そして再度駆け出す主人公がたまらなく好きです。
主人公のかけ出す方向や種類も変わります。横に無表情で小走り、手前に慌てながら、奥の方へ本気で、そして相対する敵と回り込みながら。二人目のヒロインが主人公の移動を横から邪魔するのですが、敵との相対時に主人公と重なるように現れるのも素晴らしい。映し方もとても凝っており、見てるだけで楽しいです。


俺もOPの松前緒花とおなじように顎を上げて歯を食いしばって走りたい!。それぐらい魅力的に走るんですよね、この娘。いろいろな方向に、追いかけられながら、ぶつかりそうになりながら、躓きながら、それでも前へ、画面外へと力強く走る姿に感動しました。
P.A.WORKSお得意のCG処理された、細かく硬い背景という無機質な世界だからこそ、ただ走るというキャラクターたちがより魅力的に映るのかもと思います。


友人との間で「やくしまるえつこをアニメOP/ED曲に使った新房シャフトは偉い」という話をしました。輪るピングドラムの初代OPを聴いての感想です。淡々とした、柔らかく、しかし芯のある声質。回転モチーフで、まどろむような感覚に陥ったのが前期OP。分断されたイメージ、扇情的な表情、ブラスバンド、挑発的で目覚めさせられるような後期OP。今回は映像で選ぶという事で、こちらを選びました。
本編が抽象的な描かれ方をしているのですが、OPですでに提示されているものばかりなんですよ。あぁ、今回はこれを使ってきたか、なんて、脳がどんどん活性化されていくのがわかる、そういうのも楽しいものです。

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いやまさか、全て【最終クール】の【走る】映像になるとは思わなかったです。無意識って恐ろしいですね。

ED


ブラしてないですし、肩半分ずり落ちてますし、変なものばっか見えてますし、たゆたってますし、綺麗なものに目を輝かせてますし、ちょうちょ飛んでますし、寝てますし、これはおかしい人ですよ。
それはわかっています。そう見えますし、そうしか見えません。ただその圧倒的な自由さが美しく眩しい。自分にはもう到達できそうにない地平線に胸が締め付けられます。そこに一人しか存在していないことも含めて。


本編の映像が流れる映像はフレーム、レイヤー、構造が作られるので好きです。特に本作は本編のネタの濃さから面白い映像が多く、そこだけ見ても十分楽しめるという。
ただそこじゃない、この映像の面白おかしポイントはそこじゃない。本編映像とスタッフクレジットとは別のレイヤーに配置された映像。黒タイツにミニスカートという姿で、足を広げた女子高校生が、100円で動く遊具のようなものの頭に乗り、尾てい骨に上下の振動を受け続けます。どうして、何故、いったい何が、見てるだけで変な笑いがこみ上げてきて、なにか楽しい気分になります。


音楽に合わせて、キャラクターと表情を変化させていくのですが、そのパターンの豊富さと速さが素晴らしい。一つ一つが妙に活き活きとしており、どれも超絶かわいいのですが、絵を見て感情が可愛いと認識する頃にはすでに次の表情に変わっているんですよ。それがまたかわいい。そうすると、どんどんかわいいという感情だけが積み重なっていって、もうよくわからなくなるんですよね。結果、感想は【え、これやばすぎだろう。説明する必要あんの?】というシンプルなものになりました。コチラの記事です。

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EDの圧倒的思考停止力に吹きました。基本的に綺麗・楽しい・可愛いしか言ってないです。

劇中音楽


速度、概念、金銭や嗜好品の奉納といった数値、討論。相対と称して様々な闘い、異種格闘が行われる本作は、肉体的、技術的な強者が勝利者とはなりません。あくまで勝利の鍵となるのは、争点の設定、闘いの流れ、そして格といった目に見えにくいものです。
速度がウリのランサーVS防御しかない巫女ダンサーといった、想像外で、認識外で、読めない争いでしたが、ゆるやかなダンスに合わせたBGM、上から目線で罵倒し続けるダンサーが歌う事で、この場を支配しているのがどちらかは明白でした。


競技かるたって、それこそアニメ11話も見ても、理解している人が少ないと思うんですよね。でも1話の時点でかるたを取る、取られる描写にすごく魂を揺さぶられました。
本作のかるたを取る際の畳を叩く音、初めて聴いた時は、その大きさに衝撃を受け、感動しました。そして、負けないぐらい大きなBGM。言葉で言っても、視覚的に見せても理解出来ないだろう。割り切ったような自己主張の激しい劇中音楽に身を任せていれば、自然と理解しています。そしてとうとう、最新話では叫び声が連発されるように。BGMに委ねていた無防備な状態で、そんな直接的な感情を浴びてしまった日には。もう、たまりません。


プラネテス』『ガン×ソード』『コードギアス』自分が知っている黒石ひとみの挿入歌が流れるシーンは想い、悩み、苦しみ、それでも真っ直ぐに、ただ前を向いて歩こうとする、そんな強い意志を感じるものばかりです。亡国の王女に空賊という、ベタでミスマッチな3人の少女達。戦乱の中、かつて行われていた、国家間もなくただ速度のみを競うレースを目指す、そんな夢物語のような話。でも、彼女たちは本気で信じて行動します。本作の黒石ひとみ楽曲濃度は他に類を見ないほど濃い。

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ちなみに秋クールが3作並んだ理由は、恒例のこの記事のことを3ヶ月前まですっかり忘れていたからです。『ドラゴンクライシス!』は入れたかったのですが、やはり後の作品のほうが有利ですね。

むすび

他の方のOP・ED選が見たくてこのような形式にしてみたのですが、文章量を考えると、やっぱり重すぎるかなって反省中です。ただ、順位付けや技術的な事、網羅性といった建前をなくしたため、自分の感覚的にはかなり更新しやすくなりました。本当に好きなモノを詰め込めたなという気がします。
ここまでお付き合いありがとうございました、今年のアニメ記事は以上です、多分。それでは来年も良いアニメイヤーを迎えられますように。