話数単位で、シリーズ中観測範囲内の評価は芳しくなかったけれど面白かったと思う、2011年TVアニメ5選

今年アニメ記事もう一回書いちゃったよ!
趣旨はもうタイトル通りなんですが、自分は面白がっていた話が、時々世間的に評判が良くなくて「アレ?」ってなったりしませんか。そんな時に全力で「おもしろかったんだー」と叫びたい気持ちを今回吐き出そうかなと。
ただ、【観測範囲】は今やもうほぼツイッターで自分がフォローしている人だけになってしまったので、本来はそちらでひっそり呟いて終わるつもりでした。でも理由を加えるとどうしても長くなってしまうので、泣く泣くコチラにアウトプットすることに。
というわけで「ブログ界隈や世間的にはそんなことねーよ」というツッコミ体質の方は笑って頂くか、見ない方向でよろしくです。


脚本:吉田泰三 コンテ:吉田泰三 演出:吉田泰三 作画監督:飯飼一幸・星野玲香・北村晋哉・森出剛・村上貴之・Kim Yong sik・佐藤玲
作画がパッとしないということで評判がイマイチだったようなエピソードですが、『WHITE ALBUM』1期副監督・2期監督で、ロウきゅーぶ!の副監督が脚本・コンテ・演出を手がけました。
高校生が喫茶店に集まり、女子会のノリで幼なじみの想い人にアプローチをかける作戦をたてる。その裏では当事者の男子高校生が小学生女子と、バスケのコーチングそこそこに終始いちゃつく。その映像のやばさたるや。女子高校生が男子高校生を追いかけると、そこにはスパッツを履いた小学生たちが…という映像は、ショックでカバンを落とすまで浮気現場を見てしまった本妻メソッド。すごく、昼ドラです。


脚本:倉田英之 コンテ:出合小都美 演出:駒屋健一郎 作画監督:杉本幸子・梅津茜
テンポが悪い、演出過剰というような評価が多かったように記憶していましたが、極力台詞を減らし、心理状態を仕草や背景でゆったりと魅せ、終始音楽で感情を引っ張る映像に。なんて贅沢に話を積んでいくんだと感心しました。
アニメ『神のみぞ知るセカイ』はキャラソンも充実していて、各ヒロインやオリジナルエピソードでミュージカル調の演出を追加するなどしていましたが、このエピソードのミュージカルっぽさは特筆すべきものがあります。

  • BLOOD-C』1話【あまつかせ】


脚本:大川七瀬・藤咲淳一 コンテ:水島努 演出:水島努 作画監督後藤隆幸
アクションがダメらしいですよ、私の今年一番かっこよかったアクションシーンなのですが。
地蔵と真剣に対峙する姿も、高速で突っ込んでくる姿も、カマキリの手が生える姿もすべてシュールという一言で片付けるには、非常に惜しいほど徹底された異質さです。ボロ雑巾のようにあしらわれ続ける粗暴さと、終始無言で向かい続けるその姿の鋭さ。壮絶な、すさまじい映像と表現するにふさわしいでしょう。


脚本:浦畑達彦 コンテ:喜多幡徹 演出:奥野耕太 作画監督:森前和也・百瀬恵美子・篠山正太郎・大隈孝晴
特に誰にも触れられていないエピソードで驚きました。はがないの部室パートではカットを割らず、会話の切り返しも少なめの、追いかけるカメラワークが徹底されています。この種の映像が得意な副監督でもある喜多幡徹がコンテを手がけており、追い詰める様が面白く描かれています。
反復され、構図がほとんど動かない食事映像は、ともすれば冗長・退屈といった風にも受け取れますが、主人公の親と部員の親が友人同士であり、主人公が部員の親に食事に呼ばれ、友人について考えるという事をふまえると、その映像作りにも得心が行くと思います。


脚本:砂山蔵澄 コンテ:中山勝一 演出:井畑翔太 作画監督高村和宏
演出の井畑翔太は【焚書官】と【幻曲】のコンテ・演出を手がけられており、どちらも評判が良かったのですが、この胎児の書については評判を聞きませんでした。(ちなみに【焚書官】は佐伯昭志との連名)
女性から「遺産相続で手に入れた蔵書を買い取って欲しい」という依頼を受けた主人公たち。「物の価値がわからない」という女性だったが、主人公たちが蔵書を目にするカットでは主観で書庫の扉を開いた瞬間目がくらみます。返り血を浴びた女性が「また洋服を汚してしまった、叱らないで」、そんな姿を見る主人公達へとピントがずれます。自分から離れようとする人間を殺してきた女性こそが相手を見ていない、聞いていない、虚ろな瞳と虚ろな声が素晴らしかったです。
吹き飛ばされた女性のもとへふらふらと歩くゴーレム、ゴーレムが破壊され、愛しかった人達の死体置き場へと歩く女性の姿がひどくあっさりと、それでいて鮮烈に描かれていてとても印象に残っています。

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アニメ10選より気合はいってるじゃないかというご指摘がありそうですが(笑)、わかってもらおうという場合はそれなりに書きますよ!書きました。余り評判が良くないので、忘れ去っている人もいるでしょうが、もしこの記事で再視聴の意欲が湧いたという奇特な方がいれば幸いです。
もしくはこの話数超面白かったよね!という方、ぜひ何かしらの反応をいただけると、私がめっちゃ喜びます。むしろそのために書きました。ということで、相手に魅力が伝わるように苦心したこの記事が、実は私のためだったという、そんな逆説的な締めで今年最後の記事とさせて頂きます。
それではみんな、いいことあったらいいね!Daisukでした。