まんがタイムきららミラクの【もっと自由に4コマを。ドキドキビジュアル進化型】を考える

言うまでもなく当ブログの方針は恣意的な思考(思いつき)を意図的に集めたバーツで説明する駄目方針だったりします。
いやほんとキャラット購読は数年前からだし、あとは時々立ち読みするだけだしで語れるほど読んでるのかという感じだったりもしますが、これだけ予防線張ったらいいよね?という感じで。

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キャッチコピーに【もっと自由に4コマを。ドキドキビジュアル進化型】を掲げたまんがタイムきららミラクが面白い。
線が細く美麗な絵柄で背景も細かく明らかに描き込まれた4コマ漫画。
…なんて単純な部分での【ビジュアル重視】はモチロンのこと、他にも従来の4コマとは異なる形式によるビジュアルに進化した姿が伺える。
キャラットの作家陣とミラクの掲載順が前の3作品を比較して気づいた点を挙げてみることに。

左の画像:キャラット 右の画像:ミラク
  • セリフ量

門瀬粗『Felice』 タチ『桜Trick

ラクはとにかく台詞が簡潔でシンプル。キャラクターの状況や心情を説明するのではなく、感じた通りに話す。事象をビジュアルで示してくれるので物語やネタを読むというよりは見るという感覚に陥る。

  • 会話形式

荒井チェリー『せいなるめぐみ』 小波ちま『リリィ』

生のセリフが多いと言ったがその台詞の見せ方も特徴的。1つのコマで会話が発生するのではなく、次のコマの応答で会話が成立する。自然と下へ下へと視線が誘導されビジュアルを追うスピードを加速させる。

  • コマ内の人物配置

黒田bbAチャンネル 眉毛『純粋欲求系リビどる』

会話が次のコマに続くということで1つのコマに1人という配置が圧倒的に多い。結果コマ内で注意すべきビジュアルが絞り込まれ、瞬時に理解できる。

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ようは美麗なビジュアルを次々に魅せることに特化した4コマ形式こそがミラクなわけだが、しかしそのような形式が今までなかったかというとそういうわけではない。キャラットを購読して3年以上経つが、物語を読ませる4コマからビジュアルを魅せる4コマは次第に増えてきた。

るい・たまち『ごきチャ』 博『アクアリウム

*上記はどちらもキャラット作品です。
ビジュアルに特化するということはレイアウトやカメラアングルといった画面作りに意識が向けられるということであり、技巧的な面白さが生まれる。キャラットでは昨今の手法が取り入れられつつも、やはりまずネタありきという要素が見て取れた。ハイブリッドされることは悪くはないが、完全なビジュアル主義のための自由な場こそがミラクが目指したものなのだろう。

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pixvの漫画は当初縦スクロールにしか読めなかった。その結果多く見られたのがページを横に分割して縦に読ませるコマ割なのだけれど、イラストから漫画という過渡期にビジュアルを魅せる手法として非常に合理的だったんだなぁと。
【漫画】時をかける杏子@pixv