君に届け 第05話 〜なんとなく見てるだけで理解できる直感的な色の演出〜

君に届けの色彩感覚は何も考えずとも見てるだけですっと感情が付いてくる直感的なものになっている。

爽子が自分のせいで周りに悪いうわさが流れると悩み、結果関わらないようにしようと決めるシーンが教室内で進んでいくのだけれど、全体的に非常に暗く作られている。この処理は教室内のほとんどのカットで行われていて非常に暗い雰囲気を作っている。

一人でいようとするも、つい昔の楽しかった時の状況を思い出すカットはまぶしい白の背景。

真っ白の楽しかった光景の中で現在の爽子が取り残されたかのように黒で塗りつぶされている。

学校の帰り道の木陰で暗い中を歩いていく。

そこで待ち構えていた風早。長く続く木陰の終わり、真っ白な光を背負っての登場のこのシーンは第一話を彷彿とさせる。
爽子は風早を拒絶しようとするものの・・・

やっぱり言えませ〜んと若干コメディタッチで泣いてしまう。

非常に明るいタッチの泣きのカットに続き、同じ木陰でも明るい画面作りになっている。暗い画面作りから明るい画面作りへと変化したこの瞬間、本音を漏らしたことで問題の解決が始まることを感じさせてくれる。
影による閉塞感と光の解放感による画面作りが美しく、よくできているなぁと感心する。これを直感的に理解させるように、教室内で徹底的に暗い画面を作っていた(今回だけでなく、今までの話でも)のが上手い。
色の演出なんてものは普通誰も考えて見ないので、こういう直感的に理解できるようなものでないとついてこないだろうし、またそうあるべきだと思っている。(この辺りはハルヒエンドレスエイトの1〜4話までのBGMによる音響演出も素晴らしいかったと付け加えておく)