東京マグニチュード8.0 第03話 〜ゲームのアニメ化は難しい〜

ゲームだと登場人物が次々に障害に巻き込まれても気にならないけれど、映像にするとそれがアニメでも途端に空々しく見える。
第一話はそのあまりにテンプレな家族構成にあきれた。わりと仲のいい家族だけれど年頃の子どもが親に不満を持っているだとか、姉弟だけで遊びに行ったその時だとか、もう最終回までの感情全てが見えすぎる。それでもわかりやすい脚本の意図はつかめたので、不満はさほどなかった。
第二話のビル内の弟探索で巻き込まれる崩落、火災、下敷きという次々に訪れるイベントを見るまでは。
絶体絶命都市かよ!
第三話でもそれは続く。歩けば余震で高速道路が目の前で崩れ落ち、階段では雪崩に巻き込まれ、船に乗れば橋が落ちて波に呑まれる。モブに主人公が罵倒されたりと、なんだか震災であったら嫌なエピソード満載。
フジテレビが生きてるというのがもう作為的な気がする。ワンセグで情報を見るというガジェットは非常に面白いのだけれど、お台場でビルが崩れたりしてる中、なんでカメラも来てないのとか、ニュースやれてるのとか思ってしまう。主人公たちが二話で避難する場所がフジテレビのビルの前だけれど、あなたのビルの前にいる人たちに何かアプローチしましょうよ。
見るところ見るところ不満点が目につくけれど、震災のエピソードはよく出来ている。やっぱり階段だと雪崩は起きるし、救助(船)のイベントは非常にらしい。手をつなぐところも、靴ずれも、コンビニでご飯を貰うというのもよく出来ている。阪神大震災で廃棄食糧云々というのは聞いたし。
やはり、映像的なインパクトを持たせるために、大きな災害に次々巻き込まれていくという脚本がよくないのだと思う。やりたいのはわかるのだけれど、同じ主人公にしたのがまずかった。複数主人公の群像劇チックにすれば、次々に起こるイベントも、分散させてリアリティをもたせれたと思う。そもそもこの主人公で作れるドラマなんてたかがしれてると思う。非常にシンプルな家族ドラマなんだから、他のわかりやすいシチュエーションドラマ。たとえば恋人同士だとか、そういう安いドラマも併せた方がいい。
しかしこの話で親側の視点をやらないなんてことはないだろうなと。もしやらなかったらもう擁護できない。OPとEDの作りが壊れた街をただ歩くだけの作品に思えるのでちょっと心配してしまう。