化物語 第03話 〜シャフトでしか再現できない原作の色彩感覚〜

新房シャフトと原作挿絵VOFANの相性がいい点が色彩感覚だ。VOFANイラストレータらしい、アニメとは異なる独特な色彩感覚を持っている。(当然だが)

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)


化物語の表紙やpixivなどを見ると、淡いパステル調の中に、きつめの、原色や濃い色を入れて目立たせる塗り方をしている。また人物の服とは逆の色相の背景をよく持ってきたりする。こういった実際にはあり得ない配色がVOFANの特徴で、実にイラストレータらしいといえる。

ひたぎクラブEDのイラストも当然白色を基調としたものだった。

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これを再現できる制作会社を考えると、流行り廃りな現行の色彩にとらわれない、シャフトがベストだったのではないか。

一話飛び降りのシーン・教室のライティング・夕焼けのきつい配色に対しての金網や影による黒や白の使い方なんて最たるものだ。

化物語の表紙で真っ白だった手すりが頻繁に出てくるも、アニメでは原色で設定している。引き画面を多めに舞台劇っぽくなっているところといい、真似するのではなく、原作の持つ特徴を自分の作風に取り込むことに定評のあるシャフトらしい見事な感覚だと感心してしまった。

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追記(2012.9.30)
最後にアニメで私が一番綺麗だったと思う戦場ヶ原ひたぎさんを一枚。

一番好きなひたぎさんは、やっぱり阿良々木暦を想いながら、星を見上げる姿なのだけれど。