テイルズオブリバース

三日で36時間か・・・。はじめてかな、こんなに頑張ったのは。
とまぁ、こんなことはどうでもいいんですよ。ちなみにテイルズシリーズはファンタジア・ディスティニー1(PS版),2・エターニアシンフォニア・リバースとなりました。

テイルズ オブ リバース

テイルズ オブ リバース

テイルズシリーズはディスティニー2以降乱発されています。そのためか時代の所為か、シナリオは何かのテーマを軸にキャラクターを動かすというパターンとなっています(それまでの作品ではテーマはあるものの、キャラクターが動く中でなんとなく根底に流れている雰囲気程度に留まっています)。
私としては重いテーマは嫌いではないのですが、登場人物の魅力を引き出せないRPGRPGとしては認められないので、昨今のテイルズシリーズには危惧するものがあります。バランスとしてはシンフォニアがテーマ性+キャラクター性として上手くいっていたような気がします。(ただ自分はいのまたむつみ派なのでイマイチでしたが)
リバースは36時間でクリアできたことからもわかるとおり、テーマを追うのでいっぱいいっぱいのストーリーでした。
人種差別をテーマにした作品でして、物語中盤の見せ所、演説のシーンでELTのテーマソングをバックに切々と訴えるクレアの姿には胸を打たれました。
後半は二つの種族がお互いを貶めることで悪意が連鎖を呼び、世界中の町でいざこざが起こります。それを主人公達が収める旅をするのですが、自分の中ではこうして世界を平和にしていくような水戸黄門的なお話だと、テーマとしても突き抜けていて良い話だと思えたのですが、ゲーム上そんなわけにもいかず、よくわからないボスがでてきました。
加えてエンディングで女王が死んでしまうのがどうしても許せませんでした。確かにタイトルのリバース(再誕)としては、彼女は死ぬことで制度も含めて世界の全てを崩し、そのうえで両種族が手を取り合って新しい形を作るというのが定石です。
しかしキャラクター性としては、せっかく自分の世界を広げ、偏見も無くなった女王が死んでしまったのでは責任は取れていないと思いますし、世界を救ったにもかかわらず、愛する人に告白しながら死ぬというのはあまりにも酷すぎるのではと思います。
テーマ中心・シナリオ中心も悪くもないのですが、でもキャラクターを大切にして欲しいと思います。
オープニングソングを聴いたときはイマイチ合ってるとは思わなかったのですが、これほどテーマにリンクした雰囲気の曲もないなぁと感動しました。淡々として、物悲しくて、でも力強い。両種族の争いによる世界の崩壊と、それを乗り越えて新しい世界を形作っていくことがイメージできます。
追加)
戦闘面ではテイルズ屈指の複雑さを誇るのではと思いました。というよりは通常のRPGに比べると様々なことが異なります。
まず回復魔法がないというのが大きな差です。技を使用することでHPが回復するのですが、連続で使用すると回復量が減るためそのバランスが難しいです。MPがなく技は基本的に何度も使用できます。ただしゲージがたまらないとHP回復がつかず、ダメージも弱くなります。連続で使用すると攻撃力が上がっていくことから、コンボではめるか、じっくり戦うかが問題になります。
補助魔法はフィールドの範囲内のみで効果があります。使い方が難しいのですが、効果はかなりあるので、使い方によってはかなり戦闘を有利に進めます。
キャラクターの変更が戦闘中のボタン一つでは出来ないことと、LやRボタン・命令で他のキャラクターの技が指定できなくなったので基本的には自分のキャラクターのみを操作することになります。このため補助魔法が非常に使いにくいのが大きな欠点です。ただし命令の種類はとても豊富でした。
2Dシリーズに奥行きという概念を与える3LINEシステムですが、これは非常に成功していると思います。アビスやシンフォニアのようなラインが見えないシステムでなんとなく攻撃するよりも、リバースのように決まっているライン上でどのように攻撃するかを考えさせるほうが断然面白かったと思います。
複雑なシステムからもわかるとおり戦闘はテイルズシリーズでは断トツの難しさだと思います。初めてハードでクリアできませんでした。回復手段が無いため、ピンチになったら簡単に死にます。回復アイテムがとても高価なため序盤では雑魚戦で死にます。ただしボスは攻撃力が低く設定されており、アイテムを使ってしっかり回復するという戦法をとればたいてい苦労せずに勝てます。ピンチに陥った場合は負けますが、技がいくらでも使えるのでコンボが決まればあっさり勝てたりします。
テイルズシリーズ乱発のためか、オマケ要素の低いゲームになっていました。いつもならある闘技場もなく、歴代キャラが参加することもないテイルズは非常に物足りたいです。隠しダンジョンもおざなりな印象は拭えませんでした。