攻殻機動隊シリーズを見て思ったことのメモ

いつかまとめたいけれどまぁやらないんだろうなぁ(汗)
今日は攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(以下サック)の長編シリーズをぶっ通してみていたのだけれど神山健治押井守の戦いが楽しかった。
攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man(以下笑い男
攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Individual Eleven(以下個別の11人)
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society(以下傀儡廻
の三本。上二つはTVシリーズを一本にまとめたせいか二時間半で展開も2転3転する普通の映画とは異なる視聴感覚。
笑い男は地味な内偵捜査や畳み掛けるような文学からの引用、パワードスーツとのバトルの素子の射撃シーン等押井守の劇場作品特にパトレイバー1の作り方を踏襲している。
個別の11人では鳥、ヘリといった押井守が好む映像をふんだんに取り入れている。自衛隊の海外派遣からくる日本の防衛意識といった問題提起や情報庁のスパイとパトレイバー2の類似性が多い。そのうえで事件を煽動した情報庁の合田を笑い男の”模倣”として2流と評すこの作品の最大のカタルシスSTAND ALONE COMPLEXという神山健治の解答は痛快。その後合田を”優秀”として処理するという展開もすばらしい。ちなみにリンゴ、世界の再構築、ミサイルと東のエデンはこの作品の影響が強い。これが神山健治オリジナルということだろう。
傀儡廻攻殻機動隊から人形使いを廃したサックにおける人形使いであり、GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊イノセンスと同じような映像や設定、シーンが散りばめられている。しかし実際には辿る展開や結末は全く異なるものとなっていてその映像も押井守らしさをほとんど感じさせない作りになっている。
一作目で押井守テイストの映像作品を作り、二作目でテイストをそのまま取り入れつつ皮肉り、三作目でシーンを取り入れつつも押井さんを感じさせないまでに昇華したのが見て取れる。なんという師弟関係の熱い戦い。これは面白かった。
映像の印象で神山健治ならEDEN(遠藤浩輝)のアニメ化もいいなと思ったけれど、同じような画面になるのだからネームバリューにアドバンテージのある攻殻機動隊として作るよなーと。