青い花 第11話 〜全て美しいもの〜

美しい、美しい話だった。もちろんふみちゃんの想いがあーちゃんに届くかどうかは分からないが、初恋の相手の確定で終わる=この想いは確かなものというところで締めている。そして初恋=叶わないという所も含んでるのかもしれない。それは最後のシーンふみちゃんが初恋の相手を思い出した所で雪を降らせていたことからも連想できる。しかし、美しい。儚くも美しい映像の連鎖。
雪なのに淡く青い、その色彩感覚には最後まで脱帽。あーちゃんが全身赤い服なんだけれど、ふみちゃんは青いコートに赤いマフラーなんだなぁ。
ところで何か少し違和感があったのが、志村貴子にしては意外にプラトニックな終わり方だなぁという感じ。それはもちろんアニメとしてまとまりのいいように終わらせたからなんだろうけれど、それでもこれだけの長さやイベントをかけて想いに気づくだけという事がらしくない感じがしたので原作を軽く読んで見ると、ふみちゃんは序盤で初恋をしっかり覚えていた。
だから今まで二人の小学生の時代を丁寧に配置したことは全てアニメ版「青い花」のカタルシスのためであることがわかる。公式HPで監督とシリーズ構成がなるべく生々しさをそぎ落としたい(第一回U村氏×M倉氏から抜粋)とあって最初は不安に思ったけれど、映像はフラッシュバック(というか回想と想起させる演出)がよく合うなぁと再確認しつつ見ていてとても気持ちがいい作品に仕上がっていた。
背景画像をふんだんに使った、ゆったりとした映像の見せ方は第一話を想起させるのがグッド!この辺りは原作付きで未完の場合でも、最初から終わりに向かって作っていますよということのエクスキューズなのかも。「東のエデン」なんかもその辺り意識してたと思う。ちなみにNOISE枠でアニメは本作が最後っぽい。視聴率の高いNOITAMINA枠である「東のエデン」を想起させる、図書館のリスト「エデンの東」は笑ってしまった。