sola

TV放映時は6話ぐらいまで見て、そのあと8話見たっぽいけれど、断念したアニメ。隠れた名作というか、何気に高評価の人もいるのでいつか全部見ようと思っていた。
オリジナルアニメだけれど七尾奈留がキャラクター原案で、造形から色のベタ塗り加減が美少女ゲーム原作アニメと同系統。親や助言をしてくれる大人がいない、話の中心になる登場人物だけの閉じられた世界といい、ストーリの構成が単調で、脈絡のない、うす味のものといい、美少女ゲーム原作と間違えそうになる。
ただし1クール深夜アニメの生まれた経緯から尺の長さに至るまで、この方向性がオーソドックスといえる。どこがありきかはわからないのだけれど、この放送枠で正統なオリジナルアニメを作った場合、美少女ゲームらしい要素が全て集まったようなこの作品は何も間違っていない。

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二周目を見ると、キャラクターの心情がまた違った風に見えるのは花田脚本らしい。中盤から後半のエピソードでスポットが当たったり吐露するからか。

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作画は低調と言われていたけれど、各話のバラツキに加えて、一話内のブレも気になった。この辺り、単発エピソードなら意外と気にならないのだけれど、1クールという纏まりの作品だとダメだと思う。作品としての統一性は欲しい。
個人的には12話の映像的カタルシスに身動きすらできなくなった。あれを作れただけでこの作品の価値があると言ってもいいぐらい。そのせいで13話の展開にずっこけそうになったけれど、まぁ妥当かなとは思う。演出は後半特に丁寧になっている気がした。音楽はイマイチ。良い曲もあるのだけれど、使い方が上手くなかったのか印象に残らなくて悪目立ちした。SEは非常に丁寧。

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話は8話ぐらいから面白くなるというか、それまでは話が動かない割に、設定だけは説明されていく(しかも単調で面白みがない)ので既知感に耐えられなくなる。全話見終わった後はそれまでのエピソードも面白くなるのだけれど、人に勧めにくい作品だ。