作品の印象が変わったとき、最初から見返してみるといろんなことに気づけて楽しい(とらドラ!)

とらドラ!の2クール目(14〜24話)を見返してたら展開がしっくりくるようになってきた。
ネタバレ!!
竜児の中では修学旅行で大河を助けに行く時に「今度つかんだら離さない」と決めていた。けれど大河の想いを”ドジ”でうっかり聞いてしまった”罪悪感”、しかも大河がそれを無かったことにしようとしていたせいで身動きが取れなかったわけか。けれどそれは結局バレンタインでの大河の”ドジ”で流れが変わるわけか。
クリスマスの段階だと大河の一押しで告白を決意するぐらいふわふわした、しかしきっちりと実乃梨への気持ちはあるわけで。正月以降でもまだどう転ぶか分からないぐらいだったと思う。そういう意味では大河の”ドジ”という”運”によって左右されたきっかけによる展開というのはとてもリアルだ。そこには大河の家庭環境や実乃梨の大河への罪悪感も関係ない。

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実乃梨の大前提は”大河が大好き”で、大河を救えなかったこと、逃げてしまったことにまず”後悔”がある。そして竜児がそれをやったことによる”羨望・嫉妬”があり、その上で竜児を好きになってしまった事の大河への”罪悪感”に悩まされていた。
バレンタインで大河を問い詰めてからの流れは同じ道を進もうとする大河と、そのまま自分に向けた言葉だろう。この一連の流れの構造は複雑だけれど、実乃梨は大河の”好意”を”拒絶”し、大河の想いを確かめようと追うことを決意する竜児に”ふられた”あと”告白”している。大河を逃がす亜美に「あーみん裏切ったな!」と言ったのは、「まだ話が終わっていない」というのはこの一連の流れは突発的なものでなく、計画的なことを示していて、恐らくはこの関係の清算で、やはり竜児に告白をする気であったと考えられる。

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亜美は”狂言回し”として機能させられていたわけだ。それが”罪悪感”という言葉で、竜児や実乃梨を動かす原動力となっていったわけだ。けれど確かに展開を動かすことに特化させられてはいるけれど、隠された部分に強烈な個性も持っている。
亜美はもともとストーカーを一蹴した大河をかなり意識していた。そして亜美を特別視しない竜児もかなり意識していた。”ウソ”をついて本性を見せなかった亜美が唯一本性を見せれる関係を気に入った亜美にとって、竜児と大河と実乃梨の関係は”ウソ”で塗り固められたものに感じたのだろう。その”ウソ”が空しいということもわかっている。しかしクラスメイトに本性を見せず”ウソ”の自分を演じ続けた亜美には三人の関係を本気で否定することもできない。
気にいっている二人の中に溶け込むためにはこの関係を壊さなければいけない。しかし気に入っている二人を直接傷つけることもできない。
亜美は関係を壊してしまったかもしれないという”罪悪感”に悩まされた。そしてその関係を壊すことを自分に似ている三人の関係の中心人物である実乃梨に託した。はずだが、しかし展開の流れを崩してでも大河を逃がしたことに強烈な葛藤という個性を感じる。

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ここまで書いたら大河も書くべきかもと思ったけれどあえて止めとく。
あと散々書いたけど最終回で全然違ったりして。原作で全然違ったりして。