かしましを約一年ぶりに見返す4

第9話
キャラの性格通りのストーリー構成なのか、ストーリー通りのキャラ設定なのか、判断としては難しいところですが、9話までの持っていきかたがよく出来ているなぁと。
恋に対して臆病なとまりは現状にあたふたして後手後手に回り、物語序盤で悩み覚悟を決めていたやす菜は周囲を見る余裕も生まれ、今回の三人で仲良くを提案もできたという所か。
そしてはずむはどちらも失いたくないという思いが強く、どちらかに対して恋心を抱いているわけではないことが明白。
第10話
とまりとはずむのキスシーンでは若干はずむが近づくんですが、ここは脚本指定かコンテ指定か微妙なラインです。ただこれを許可したということは、ここではずむはとまりとキスしてもいいと思った、もしくはしたいと思ったと考えられます。
よく考えればやす菜の男が見えなくて苦手という描写は久々すぎて違和感がある気もします。
第11話
11話は今まで積み重ねていった描写が問題となって集約する、非常に重要な回で、ここの出来がいいためかしましは後半の盛り上がりを演出しきったと思います。今まで相手のことを考えて行ってきたことがちょっとずつ相手を傷つけ、それが大きな傷となったというあゆきの啖呵は実に的を得ています。
やす菜ととまりの仲直りのシーンでは「やす菜がとまりをじっと見る」というカットが何度も入ります。人に対する不信感から見えなくなったやす菜が、はずむを想う気持ちは同じというとまりに共感したこのシーンで実は病気は改善していると思います。もちろんアニメ的きっかけや山場は最終回に回す必要性があるので、ここでは治りませんが。
そう考えると、やす菜は初めてわかりあえた友達であるとまりを幸せにするために、はずむを返すことにつながります。もちろんやす菜もはずむを想うとまりの気持ちをわかるからです。
第12話
12話は演出のための話数だよなぁと改めて思いました。やりたいことはとまりを振る所とやす菜が治る描写。あとはあのねを言わせるという感じです。実際最終回のための絵作りであって話の筋からはもっと良い魅せ方がいくらでもあるだろうと思いながら見ました。最終回補正をかけるのはいいとして、というかDVD追加エピソード補正演出はしかたないとして、「キミのためにできること」が流れている時のとまりがみんなと仲良くお弁当を食べたりするシーンは最悪だと思います。あれだけはどこのエピソードともつながらないと思います。あれが無ければ「あのね」の印象はまるっきり変わるのに。
あそこのシーンを省いてドラマCDの疎外感を生かせばかしましはかなりの秀作になると思いますし、もし使うならば以降の「あのね」は無くすべきです。ちょっとやす菜悪い子になりますがw
演技はとまり@田村ゆかりのはずむへの想いのを伝えるシーンが良すぎます。