バンブーブレード第22話

おそらくアニメ版であり倉田版でもあるバンブーブレード一番の山場であろう。今まで抱えてきた問題点が一気に噴出した今回のエピソードは、非常に丁寧に積み上げられてきた大きな山を崩されたような感覚に陥りました。

個々の注意点やお守りを作る部長キリノ。そして浮かぶ涙は・・・。
言葉に(絵に)できない涙なんだと。じっさい語られませんでしたし。いろいろ立場とか、今までの剣道部とか、実力とか、今の剣道部とかそういった複雑な思いが感極まったんじゃないかと。

オリジナルキャラでダンくんを取り合うキャリーとミヤミヤを煽るサトリの空回りっぷり、舎弟ぷり。うまい立場に落としたなぁと。

負けたミヤミヤ(ほんとうは剣道の試合中の「ここで勝たなきゃ意味がない」を使えばよかったけれどいろいろ諸事情で。)。オリジナルのキャラを導入することで剣道をする理由を明確にしたミヤミヤと、その緩衝材になることでキャラを立てるダンくんの大事な絡み。

キリノが買って大将戦にもつれこませたときの表情。ずっと負け続けたミヤミヤの浮かない表情とコジローの安堵しきった表情。初心者ゆえに常に負けてしまうミヤミヤの複雑な心境と、口では皆に気を引き締めろといいながらもタマキが勝つと信じきっているコジロー。

そしてみんなに信じられ、期待され、常に勝たなければいけないと感じているタマキが先に一本をとられ、追い詰められ、禁じられたはずの突きを使ってしまう。

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あとユージはコジローが本来あるべき位置である解説役に。彼のスポットライトはやはりデートのくだりで決着をつけたんだろう。
と思いきや部に対する想いは負けないということを不良二人や部のこれからが心配という点でアピール。それこそ部の問題を代弁した便利なキャラという見方もできますがお好みで。

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「部活」というのがテーマだったんだなぁと改めて確認しました。今までもそういった描写は合間合間にきちんとあって、それが今回回収するためにぶちまけられた感じに。思えばそれこそがアニメ版バンブーブレードの面白さだったんじゃないかと。よりドラマに特化した。