ef - a tale of memories. 第7話

絵コンテ・演出:大沼心
勘弁してください。財布が火を噴きます。なにが残念って非常に面白い6話と7話はDVDに別々に収録されるということ。正直7話だけは絶対にほしいです。
しかし大沼さん、きっとこれがしたかったんじゃないだろうかという具合の気合の入った演出。どこを見てもおなかいっぱいでした。
まずはAパート

そうなんですか?(千尋)え?(蓮治)
おそらく小説を書く上で何度も繰り返されたやりとり。以前の出来事を繰り返し見るような感覚。そして擦り切れていく蓮治。そして千尋が理解できなくなりホワイトノイズ。

キスしてもいいですよ
今まで蓮治くんと会っているのは私が信頼しているからだと思います
蓮治くん、私のことが好きみたいだから
だから恋人としてキスしてもいいですよ

そして逃げる蓮治。拒んでしまった蓮治。追いかけようとしたが思いとどまり崩れる蓮治。

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今回すべて蓮治視点で進みました。いままでわかっているつもりだった13時間の記憶しか維持できないという事実を何度も繰り返すことによってようやく理解した蓮治。
でもまだわかってない蓮治。千尋は毎日会いに来てるんですよ?小説を書いてるんですよ?記憶は残ってないかもしれないけれど想いは積み重なっていくんじゃないでしょうか?
蓮治超頑張れ。
あ〜あと千尋はもっと自分の気持ちに正直になってほしいんですけれど、それもこの障害を考えると仕方がないですよね。記憶はない上に文章だけはずっと繰り返し読んでるんだろうから。

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Bパート
まさに今年一番心に残る演出・・・かも。しかしスクールデイズのメール「さよなら」を見てなかったらおそらくこの演出に対してどれだけ賛美するかわからない。
前回紘がバスケの試合で怪我をした景のもとへ行ったためデートをすっぽかされたみやこ。家に忘れてきた携帯には99件の着信が、というところで終わりでした。

遠い過去。両親が離婚する前、まだみやこを愛してくれているころ。

現実。一人大きな家に住み、食事を作り、家に鍵をかけて外に出る。紘とのデート

約束の時間になっても来ない紘
放送時間15:50〜17:30の間に留守電メッセージを6回入れる(大体)

17:50
焦りはじめ声を荒げていくみやこ

画面いっぱいになるまで留守電のメッセージが埋め尽くされたあと、一転黒くつぶされていく。そして消えたくないという言葉とともにブラックアウトしてEDへ
21:30留守電メッセージを14回、5分間ひたすら留守番メッセージのみが流される。計20件。

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BGMの音楽がだんだん早く、強くなり、加えてエフェクトのキーンという不協和音に心がざわついて仕方がなかったです。この演出、絵で見てもすばらしいのだけれど音楽もあわせてそうとう気持ち悪くなります。ただこれスクールデイズ最終話ともろかぶりなのでその部分が気になってしまったのが自分の中で残念でした。
心が押しつぶされる感覚。かといって怖いとか頭おかしいとは思わないのはスクールデイズで耐性がついたのでしょうか?もしくはシャフトフィルター?
一番の理由が視聴者をわざと突き放し、ある種の絵画を見せられているような感覚にさせているからかもしれません。
そもそもシャフトは静止画で魅せてくれるので、動きで作品の魅力を作っているわけでないので。そこにリアルさが緩和され、こういった生々しい、かつ痛々しい描写も作品として楽しませてくれているのかもしれません。

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Cパート、怪我をした景をおぶって帰ってきた紘は食事を買いに外へ。そして景はみやこの99件の着信を見て消去する。

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みやこが懸命に伝えたメッセージを紘は受け取ることなく消去されてしまう。力の入った演出、5分間渾身のシーンを数十秒で消したこの残酷さが見ていて気持ちいい。