2013夏に観たアニメ

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なんでか

ガッチャマン クラウズ


わざわざ昔のヒーローを題材にした本作だが、その期待に十二分に応えてくれた。テンプレートのように必殺技を叫ぶ、自分の都合の良い意見を集めるといった新旧の英雄像を虚仮にする悪ふざけがとても心地よい。
携帯端末とSNSという今のガジェット、社会に則したヒーロー像は当然中村健治監督らしいものだったが、枠にはまらない造形に生々しい芝居は、今後他作品で羽を広げてくれるであろう。

戦姫絶唱シンフォギアG


1クール丸々音楽とスーツのギミックで突き進む。内側からこみ上げていく感情と、それを発現するために纏う言葉があって、人は行動できるという。
お互いに主張を譲らない歌のぶつかり合いも、それぞれのパートが束ねられた斉唱も素晴らしかったけれど、2期で監督交代新ユニット加入となった本作品をたった一言【先輩】と表した様は、やはり言霊だなぁと。

ファンタジスタドール


様々なカードが実体化し、戦ったり、お茶したり。メディアミックス前提の本作品では設定からもわかるとおりソーシャルゲームらしさが特徴的。
マスター側がカードたちにバカにされていたり、大好きだったりするバランスがとても良かった。バトルで勝つとカードを全て奪えるというシステムが用意されているにもかかわらず、ほとんど重視されない物語。ノルマのような戦闘も、タマネギみじん切りアタックといった面白カワイイもの。
出てくるキャラクター全てが愛おしかった。

帰宅部活動記録


似通ったな声質に捻らないレイアウト、単純な描写と、とにかく平坦な映像が徹底されていた。
仲良し部活ものでは、普段は和気藹々とした会話で楽しく過ごし、その部活に沿った描写の際に力を発揮するのが定型化している。そんな中、無駄に頑張らない≒凝らないという拘りは、帰宅部らしい反骨精神溢れる作品だったなと。

Free!


制作表記が初めて京都アニメーション/アニメーションDoと、グロスだったアニメーションDoが表立った作品。『けいおん!!』で夏期講習に行って取り残された後輩が、先輩たちと楽しく過ごす白昼夢を見るというエピソードが印象的だった内海紘子監督。
京都アニメーションといえばMUNTOシリーズから一貫して、別世界への憧れを描き続けている。そのテーマに対して、水泳チームの一人が海外留学から帰国、他校に入学して水泳部に入部するという、歪で複雑だが、露骨な設定を作り上げている。
だからこそ男同士が本心を吐露し、殴りあうド直球な描写で暴かれるのだろう。

きんいろモザイク


洋風なものに憧れる以外何もない女の子・ホームステイの日本人に会いたいがために日本語を習得して留学してきた女の子・親友のことが好きすぎる妄想ヒステリーな女の子・突っ込みしかやることがない女の子・その場の勢いでしか喋らない女の子。
個性的すぎるゆえ、噛みあいそうで全く噛み合わない胃に穴が空きそうなやりとりだが、【かわいい】というモザイクによって誤魔化されていた…デース!

たまゆら〜もあぐれっしぶ〜


2期に、2年生になって少しアグレッシブになり、各自で行動することが増えた。卒業アルバム用の写真係に選ばれた彼女は、公私ともに淡々とイベントをこなし、人や自然と関わりながら撮っていく。
決して他者と交わることを必要としない彼女の性格で、様々な想い出を綴っていくというのは、どこか無理をしているように映る。それでも自身をさらけ出し続けれる彼女は凄いなと。

とある科学の超電磁砲S


電撃で同調し、相手の手助けのために露払いをして届けた無印。電撃で盗聴し、自らの望みのために突撃して打ち砕いたS。
手助けの方法が仲間ではなく徒党になったのは、無印のクロヅマ編を想像させる。ストリートファイターだった彼女ののし上がり。駆け抜ける彼女の背中に付いてくる。その声を聞いて踏ん張れる。学園都市が楽しいのではなく、美琴さんの周りにいると楽しい。

ブラッドラッド


オタク文化を愛好していた引きこもりヴァンパイアが、落ち物ヒロインを生き返らせるため、RPGのようにお使いイベントをこなしていく。
そんな憧れていた少年漫画的展開にもかかわらず、身が入らないというか、気だるそうな姿が象徴的で、自分の性分じゃないと自覚しながら行動する様に共感を覚える。

犬とハサミは使いよう


作品のキャラクターを七つの大罪に当て嵌める遊びがあるので、いっそのことモチーフにすればいいのにと考えていたら出会ってしまった。
大罪の名前を冠した本を愛している文学青年が、犬畜生に転生して作家に飼ってもらうって、なんかこれ考えてたのと違う。未発表【色欲】を横目に奇人変人が集うなか、ひたすら犬しか見ていない姿はやはり色欲なのか?結局最後までどういう内容かわからなかったなぁという不思議な視聴体験だった。

進撃の巨人


原作漫画だと思い至らなかった女型巨人の正体だったが、格闘の雰囲気や目や呼吸といった様々な要因によって答えが示されており、映像が持つ喚起させる力、その強さを改めて感じた。
パニックムービー的な内容と割りきって、ワイヤーアクションだけを楽しみにしていたけれど、巨人・壁・人間といったモチーフの内面にも自然と目がいって、楽しみ方の幅が広がった。

有頂天家族


CGの歩行者や写真レイアウトとP.A.WORKSの硬い画面作りが苦手だったのだけれど、手を加えるだけでここまで良くなるのかと感嘆した。作画による芝居も美術も凄まじく、ただただ打ちのめさせられた。

君のいる町


山内重保監督の映像は視聴者の動揺を誘うようなカメラワークや芝居が多く、単純にいえば気持よく感じない。だからアクション中心の作品では魅力を感じなかったのだけれど、トレンディードラマの本作品ではすごくハマった。
青臭いセリフに対してゆらゆらとした芝居に斜に構えた映像は、そこに描かれたものではなく、自分自身の内面へと問いかける。

ロウきゅーぶ!SS

燃えのバスケット勝負と萌えの小学生モーション。その脚本のバランスが刺激的なのは一期と変わらずも、立中順平のアクション作画が抜けて、画竜点睛を欠くというのはこういうことかと。