化物語 上

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)

ついでなので昔の感想を掘り起こして単独記事にした

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ツンデレ具合は家族計画のビッチ長女っぽいなぁとは思ったものの、すんなりデレが見えて、暴言が愛にしか見えなかったのでとにかくひたぎがかわいく見えたから楽しめた。
物語が進むにつれてキャラがまるくなり、持ち味を失うという涼宮ハルヒに比べてこちらは上下合わせて5編で終わるので間延び感はきっとないと思う。上巻の最後にはもうかなり普通のツンデレぐらいに落ち着いてる気が。

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西尾維新はパロディのオンパレードと聞いていたけれど、一話目で脈絡なく「私は○○○(別作品のキャラクター名)になりたい」というのは度肝を抜かれた。
ただし一話以降は特にパロディが多いという感じはしなかった。あくまで西尾作品の導入として軽いタッチで描かれているだけにすぎないレベル。
それよりもこの人の文章の特徴はウィキペディアにあるような〜ミステリーとライトノベルを融和させた独特の作風〜の部分だと感じた。それに加えて、全く意外な展開にならないということも特筆すべき点だと思う。
前もって出た情報のみで先の展開を予想させ、そこから逸脱しない範囲で面白く作るというのがよくできている。文の韻やテンポ、言い回しがリズム良く進むそれは独特なのだけれど、先が読めているからこそ楽しめるというのは少なからずあるはず。

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読んでいるだけで楽しいというシンプルな快楽要素はエンターテイメントのそれである、いい作品。