ARIA The ORIGINATION 第13話

アニメの最終回らしい最終回でした。山場を前半に、そしてまとめとして淡白な後半といった構成。





書類のわからないところを聞こうとアリシアさんを呼ぶ灯里。しかし返事はない。
30秒6カット
この前のシーンでもアリシアさんがいなくなることへの寂しさをほのめかしていましたが
直接的に表現した場面です。
はじめは顔をかくしてぼかし、そして3カット目表情を見せることで自己投影させ、次に灯里が見てしまった空間を見せることで視聴者も同じ風景を見ることになる。

そしてダメ押しにもういちど表情を見せられる。

灯里の泣きシーンはARIA史上最高のシーンだったと思います。それが自分の中のARIAらしいかは別として。
葉月さんの演技が素晴らしすぎます。本当に泣いてるとしか思えません。(ていうか彼女、アフレコ中泣くって昔ラジオで言ってたような気がしますが)
そしてこの嬉しさと寂しさと悲しさ、不安さが混じりあって孤独におびけるような表情がたまらない。(一人突っ込みを入れなければ耐えられないな、この一文)
これが見れただけでもORIGINATIONの演出はよかったと思いました。

「(灯里の)実力的には伴っていたけれど、一緒にいたいという私のわがままで昇格を遅らせてしまった。ごめんなさい」というアリシアさん。
プリマ昇格=寿退社で灯里と別れる、という図を描いていたアリシアさんにとって、昇格試験は変わるきっかけであり、様々な別れでもある。
そんな試験を先延ばしにしたいという思いが12話の「天気が悪いからまたにしましょうか」という台詞だったんですねぇ。
つまり他の二人が昇格するまできっかけが掴めなかった。ここまでがこの発言から直接読み取れそうです。
アリシアさんが包んでいた「試験なんていつでも大丈夫」といった雰囲気はこのことから出てたんだなぁと。
さて本当に言葉通りアリシアのわがままなだけだったのか?先輩としてちゃんと決断を下さなきゃと何度も思ったというアリシアさん。
その度にやめた理由というのは根っこのところには確かにこの想いがあったんだと思います。でもそんなものを抑えるだけの力はアリシアさんにはあるわけで、決断しようと思うたびに何かしら引っかかるものがあったと思います。それは実力だったり、前回自分が書いた記事のような灯里達の状況だったりするわけで。
そう、つまりそういったことを常に考え続けていたアリシアさんは、誰よりも誰かの昇格による連鎖を恐れ、期待していたのではないでしょうか。

灯里の方から手を放す。このあたり、マリア様がみてる黄薔薇を思い出しました。あんまり言うとネタバレなんでこのへんで
アリシアさんの懸念の一つに、自分がいなくなることの負担があります。これはアリシアさんのある意味エゴで、灯里の昇格試験について遅らせる理由にはならないのかもしれない。
けれどだからといって、未熟なまま手を離すわけにもいかない。
結局、灯里が手を離せるような存在になったとアリシアさんはここで気づいたんじゃないでしょうか。
それまではどうなるかわからない。もちろんアリシアさんは灯里を信じているため、一人で立てる力は、覚悟はあると思っていたんでしょうが。
それでも確固たる証拠はなくて、そこが迷う原因で、しかも一人で泣いていて、でも灯里は手を放して。

そして後半、ここからアニメ最終回らしい締めに入っています。
しかしこのシーンを見るとプリマってネオヴェネチア観光の最高峰であり、アイドルであり、いろいろ考えてしまいます。
あと最終回が苦手なのってこういった締めが自分には合わないんだなぁと。だいたい最終回を見ると不完全燃焼で物足りなく感じるんですよ。まぁ漫画もそうなんですけれど。
締めがやっぱり一番難しいっていうのは誰の台詞だったか。

成長したアイちゃんがどうしても藍華とかぶってしまって、ちょっとなぁと思ったり。

終始アリシアさん化していると思ったらアカリらしいところが垣間見えた瞬間。
成長したアカリ。結構デザイン複雑だなぁと思います。片結び(某魔法少女)よりはありだと思います。ていうかかなり素敵んぐ。
このあたりのやり取りもORIGINATIONだと思っていたらWikipediaで原作でもやってたそうでびっくりしました。漫画売ってない(泣き)

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ARIA面白かったです。というか好き。
一番原作に近い雰囲気はORIGINATIONかなぁと思ったりもしました。もしくはANIMATION。ARIAの魅力は音楽と引きカットだと思っていたんですけれど、そしてそれらがやっぱりORIGINATIONでは減ったなぁと思っていたんですけれど、原作も後半そうなんですよね
なんとなく原作の持ち味をそのまま濃密に演出したものがORIGINATIONなのかなぁと。ANIMATIONはやんわりと。NATURALは過剰に。分けて考えるとやっぱりANIMATIONが圧倒的に構成としては見やすいしまとまってます。ORIGINATIONなんて完全に一見さんお断りです。でも分けて考えちゃいけないんですね、きっと。すべてを愛すべきなんです。
13話を見たらピアノコレクション欲が。よしいろいろモチベーションもあがってきました。
ARIAシリーズ実は全部欲しいんですけれど、全部まとめたものが中古に流れるのを待つか、ORIGINATIONを安いうちに買うか悩み中です4/25日までに決めないと。むむむ。