true tears


石井真さんのこの嗚咽交じりの声は鳥肌もの。12話のおぎゃあの前の独白も心が震えます。思えば男性声優でこれだけ感動したのは初めてかもしれません。もっといろいろな場面で聞きたいなぁとおもいますが、いかんせんアニメ向きじゃないなぁとも思ったりします。(失礼)

ピーエーワークス凄いんだなぁと思った瞬間。このバスケの下りはフレームのゆれも含めて本物のバスケの躍動感を感じました。

エンディングはフラれた乃絵が出会って、過ごして、告白された思い出の場所に一人立つ後ろ姿を延々とオープニング曲で。個人的感想としてはこれで終わってくれればと思ったり。ぶっちゃけその後のシーンが蛇足過ぎて切ってやろうかと思ったりしましたが、それだと作家性がね。(上を向くとこまではギリありですが)
おばあちゃんが死んでから泣けなくなった乃絵がここでようやく泣ける。というのは視聴者に任せてほしかったなぁと。もちろん自分は泣いた派ですが。

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わりと軸が見えにくい構成だったなぁと思います。最後まで誰が主人公か見えにくかったので。
一見男が主人公の恋愛モノで、それぞれ女の子がエピソードを引っさげてドロップアウトしていくという構成だったんですけれど、焦点がその女の子よりだったり男の子よりだったり、いろいろな人に飛んで複雑になったのが後半まずかったような気がします。
眞一郎がふらふらしすぎて見えにくいのも難点です。最終話の乃絵が何で泣けなくなったかわかるか?という問いに、自己暗示と返す彼にはヲイ!!と。(いや、仕方ないですけれど。)なんだかカッコいいシーンがそれまでにあったにもかかわらず実はまったくわかっていないというシーンがあるので、とにかく見えにくいアニメだったというのが印象です。
一見すると複雑なefは何度も見返す工夫をいれ(独特な演出、隠しキーワード)繰り返し見させることで話の筋が見えにくいと感じなかった点が凄いと思います。あと安易な萌えてきなものを排除し、女性の怖さを押していく男性に優しくない脚本に何度も見返すことができないという点はかなり大きかったと思います。あんなの何度も見たくないです(ほめ言葉)。そのくせ実は主人公がモテモテという部分に様々なちぐはぐさを感じずに入られませんでした。あと最終話にやたら水彩調一枚絵を多用していましたがあれもちぐはぐです。流れが悪くなっていてちょっと勘弁してほしかったです。
なんだか悪い点ばかり書いていますが、この複雑な構成の裏にあるtrue tearsというタイトルとそのテーマ性はかなり面白いです。見えにくいがゆえにそれらがつながる楽しさはまさしくスルメ。ただそのためには少なくとも全部通して2週ぐらいしないとその面白さは見えにくいです。ちょっとかしましに似てます。ランティスです。eufoniusです。バンダイビジュアルです。もし2週目見るなら乃絵or乃絵兄推奨です。
最後に、キャラクターで「お、かわいい」と思わせないとなかなか作品を繰り返し楽しめなくなっている自分を含めてそういった風潮に絶望しました。