意味が無い時こそ動かす『憑物語』

年末に一挙放映された憑物語がめちゃくちゃ面白かった。
憑物語』は影縫余弦に対して手折正弦という当て字のようなキャラクターが現れる。戯言シリーズのような【物語】を意識するキャスティングに対して、違和感を感じる作品だ。
そのことに対し、何気ないシーンでも過剰で無意味に動かすという『月詠 -MOON PHASE-』や『ぱにぽにだっしゅ!』といった昔のシャフトが制作したアニメを彷彿とさせる演出が面白い。
兄妹でお風呂の洗いっこ等、過剰なスキンシップ。誰かの思惑で動かされているような作品とは、物語を書くことに対してか、はたまた描くことに対してか。
斧乃木余接は人を殺す場面を目撃させるという思惑に乗りつつ、ンリミテッド・ルールブックで相手を一瞬で消し去るという。キャラクターの口癖が移るという彼女の背丈や口調や身振りからは、もういない八九寺真宵を感じた。