2012.5〜2013.5で読んだおすすめ漫画まとめ

2010.4〜2010.8
2010.9〜2011.3
2011.4〜2011.8
2011.8〜2011.10
2011.11〜2012.4

バーバ・ヤガー 3 (アライブ)

バーバ・ヤガー 3 (アライブ)

4年前のキャンプ場での失踪事件の真相を探る。ヴィレッジのような緊迫感のある森描写は、安っぽい結末まで真似をしなくとも…しかし精神的・肉体的な暴力の反復による、木々と流血の刻み、そして呪いの描写が素晴らしかった。

ローファイ・アフタースクール―五十嵐藍短編集 (BLADE COMICS)

ローファイ・アフタースクール―五十嵐藍短編集 (BLADE COMICS)

アオハルで気に入った作者の短編集。セカイから自分の嫌いなものを消したり、惰性で壊そうとしたり、好きな人のためにキャラクターが崩壊したり。まぁそんなセカイな話。コマ割りが自由なのも良い。

起承転結をなくしたり、舞台をコロニーというSFにしたりととにかくいろいろと挑戦してみたらしいのだが、作者も嘆く通りいつもの作風なので、水上悟志ファンは安心して読めます。でも実験漫画、だから実験漫画。

表題になっている今まで描いた漫画の総決算な話の、出来の良さに感動した。
同人誌を収録する漫画家が多くなってきたのかなーとか。ボツネームだけれど、気に入っていたものを描けるという。そしてそれが本気で面白いという

セックスなんか興味ない 4 (IKKI COMIX)

セックスなんか興味ない 4 (IKKI COMIX)

様々な男女の結びつきを描いたオムニバス。
最終巻は、あるそっくりな双子の中学生から初老までを。双子という自己の見つめなおしと、外部の接触による反応で、価値観が変化する様をありありと描く。

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

人間の形をした何かと人間との交流、その第二弾。割合うまくいっている実験を阻害する、悪魔のような観測者。それを乗り越えて…というのが基本だったので、いろいろな人に愛され、暖かく見守られるというエピソードがとても良かった。

ヒノコ 第1巻 (花とゆめCOMICS)

ヒノコ 第1巻 (花とゆめCOMICS)

【言葉】が具現化する言霊ではなく、書いた【文字】が力を持つ。その成り立ちから派生した解釈≒の幅広さが面白く、見慣れた文字が部首へと分解され、旧字、象形と変化する様が非常に不気味。
あまりに強力な改変能力は、醜くも自然な事象を理不尽に修正してしまう。

  • 博『ゆめくり』1巻

ゆめくり 1 (アライブコミックス)

ゆめくり 1 (アライブコミックス)

女子中高生だけの旅館に、住み込みで働くことになった男子高校生…というにはあまりにロックな漫画。
戦隊モノちっくなポージング、老け顔高校生の顔芸リアクション、突然のコマを無視したアクション作画、そして話数またぎの地続きを敢えて飛ばすイベント配置、ロックだ

ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン)

ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン)

遠藤浩輝が尖っていた頃の短編集が大好きなんだけど、そういう雰囲気を、2002年から2012年という長期間の作品をまとめた短編集で表現できているのが凄かった。

  • ハトポポコ『平成生まれ』全2巻

平成生まれ (2) (まんがタイムKRコミックス)

平成生まれ (2) (まんがタイムKRコミックス)

基本的に無視か罵詈雑言か突飛な言動の4コマ漫画。多分ディスコミュニケーションなのだろう。地味に女の子同士でイチャイチャしてる。
最終的に追加メンバーの美しいバカと無邪気なバカの2強になったのはご愛嬌。戦場ヶ原さんのifとして読んでたり。

ぼくらのよあけ(2) (アフタヌーンKC)

ぼくらのよあけ(2) (アフタヌーンKC)

夏の日差しの強い影から抜け出た、団地の屋上という見開き。その開放感に心惹かれた本作品は、狭い中でもなかなかややこしい、離れられない関係という団地のモチーフを縮小、拡大していき、とうとう宇宙規模にまで広げた。ほんと嬉しい作品だった。

ヴォイニッチホテル 2 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

ヴォイニッチホテル 2 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

寓話的な短編が得意な作者のグランドホテル方式(群像劇)の2巻目。
寓話とは終わる物語。魔女、殺人鬼、暗殺者、悪魔といった配役の解体作業が絡み合い、いつ死ぬか、誰が排除されるかわからない長編の素晴らしさ。

苺ましまろ 7 (電撃コミックス)

苺ましまろ 7 (電撃コミックス)

久々に読んだら物凄くテクニカルになっててびっくりする。
そしてデザインが変わってからのハイテンションなキャラクター達にびっくりする。

ほぼ全編バトル描写。群像劇漫画らしい、異なる場所で同時進行する戦い。分散され、想いが交錯する鬼の兄妹がメインのお話。
長丁場でもだれない、ここ背動だなーとか、固定アングルで巧い人がやりそうとか。
あと変な人がめっちゃ変人で極まってきた。