3年越しの気づき、和のエトペンとは一体何だったのか


中学生全国大会優勝者であり、今大会の超注目キャラクターとして扱われている原村和。

デジタル麻雀ではプロをも圧倒すると言われる打ち手であり、その強さを現実でも発揮できるようにしたのが、自宅と似たような環境に立つためのエトペンというぬいぐるみを持つ事でした。
しかし、県大会決勝戦では、試合が始まる前に、ぬいぐるみが盗まれ、ちぎれてしまいます。この時私は少年誌的な能力制限と成長のイベントと思いました。

ところが、試合が始まる前に直ってしまいました。

凄くがっかりしたのを覚えています。3話もかけたこのやりとりとは一体何だったのかと。

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そうして3年が経ち、咲メンバーが戦っている全国大会トーナメントの裏側を舞台にした、阿知賀編も始まりました。昔の仲間と遊ぶために、全国大会にまで出場してしまう彼女たち。そして今、『咲 -Saki-』改めて観返してみると、本当にいろいろなことに気付かされました。その中の一つが、和にとってエトペンという存在とは、自分の力を最大限発揮するためのアイテムだったのかということでした。

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現実の情報に惑わされるため、ネット麻雀の実力を発揮できていない。ならば寝る際に抱いているぬいぐるみを抱えることで、自宅のような状態で打てるのではないか。
もともと自宅ではエトペンを抱えて打っていたわけでもないんですよね。合宿時の部長の提案であり、最初は恥ずかしくて逆に集中できないとさえ言っています。
この合宿を経ることで、和は現実をネット麻雀として捉える紅潮状態を手に入れます。ただし、県大会第一回戦ではどうも本来の実力を発揮できていないことが指摘されます。

そうして迎えた決勝戦副将戦の会場。エトペンが見つかったにもかかわらず、俯き、覇気のない様子。大将戦を控えている咲を起こさなかった和ですが、「試合は見てもらえないなんて。」とこぼします。

しかし眠っていたはずの咲が会場まで駆けつけます。
「頑張って原村さん!」この声援に答える和。
この試合、彼女は合宿時に見せた最高の状態で麻雀を打ち、咲へバトンを渡す事となります。果たして彼女が必要なものとはなんだったのでしょうか

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「私ともう一局打ってくれませんか」「私麻雀好きじゃないんです」
「麻雀を好きでもない人に負けるのが悔しい」
「今の打ち方を続けるなら退部してくれませんか」
咲とは序盤に何度も衝突していました。それでも今は、とてもいい関係で結ばれているんだなぁと。

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ということで懺悔の記事です(笑)。3年前の自分は若かったということで。
それにしても観返してみると、気になったキーワードがどんどん回収されていき、まるで大明槓で嶺上開花で連続カンと咲の麻雀のような作品だなぁと思いました。トントン拍子で出来すぎのような展開ですが、でもそれを楽しむのか、こんなのありえませんと切って捨てるのか。周りの人は前者が多く、私は後者でした。そしてそんな卓を何処か羨ましく見ていた自分。そう、今回の記事は雪辱戦かもしれないですね。