ザ・インタビューズの匿名性における情報収集の優位点

注)これはこの世にあるインタビューというものを片っ端から憎悪しまくっている屈折し偏見に満ちたどーしようもなく哀れで痛い子の戯言である。

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いまツイッターで賑わっているザ・インタビューズについて、私は静観を決め込んでいた。というのも承認要求が強く、他人の意見に左右されやすく、相手の発言内容を反芻しては思考を巡らす自分がこのサービスを利用するとどうなるかは明白であったからだ。
しかし私がフォローしているイソムラさん@donadona_No5が様々なアニメーターのザ・インタビューズの回答を大量につぶやいてくれたおかげで面白い視点を得れた。これは【情報収集ツールとして非常に使える】と。
そもそもインタビューという形式は対象者の情報、言うなれば事実を得るのにはあまり適さない。というのも得られる情報はすべてインタビュアーを通ってしまっているからだ。その質問の発生から回答の印象、話の膨らませ方から最終的な内容の選別といったようにその全てにインタビュアーの意思が介在する。そこに商品価値という概念まで宿るとなると……これ以上は言うまでもないだろう。インタビューから得られるのは情報ではなく、インタビュアーを通したモノの見方であり、異なる視点である。インタビューから対象者の情報のみを得ようとするとなると非常に手間のかかる作業となる。個別のインタビュアーというフィルターを熟知した上で、再変換を行わなければならないからだ。
しかし質問をした人間が誰かわからないというシステムのザ・インタビューは違う。匿名の質問に対して答えるかどうかも、内容も、密度も、全てが対象者に委ねられる。ここで産まれた情報は限りなく対象者の事実であるといえるだろう。また質問が会話形式ではなくただ一つの問いであるということもインタビュアーの匿名性を強め、意思を介在しないようにしてくれている。まさしく対象者から情報の収集を行う合理的なシステムといえるだろう。
当然対象者に直接質問ができたらと考える人は少なくなかっただろう。しかし誰ともしれない人間の質問なんて答えてくれるのだろうか、それが疑問だった。杞憂だった。イソムラさんが今回つぶやいてくれたモノの中には深い質問をしかもあまりインタビューの対象者にならないような方々が答えていた。感動した。
今後自分が望むのは質問のテンプレ化と回答のデータベース化だ。複雑な質問や個性的な質問は確かに面白いが、それでは収集できる情報が事実から離れてしまう。また回答を取りまとめる場も必要だ。今のような対象者の個別のホームに飛ばないと見れない状態では効率が悪い。このシステムはやはり失敗するのではないかと考えている。というのも質問をし続ける側にメリットがさほどないからだ。現在は新しく評判のため関心が高く質問も、対する回答の割合も高い。しかし興味が薄れてくると回答の減少、始点である質問という行為のモチベーションの減少と質問する側の負担は大きい。質問が少なくなってきた時のためにも是非テンプレ化を推奨したい。

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以上、後半はいつもどおりのまとまりのない雑文となってしまいましたが本意はタイトル通りです。今の商業主義のインタビューだと得られる情報に偏りがあるんですよね。といってもツイッターで個別に聞くことは敷居が高いですし、深い話も聞けないという。このシステムがうまいこと対象者・回答者の利益に結びつくことになれば非常に面白くなる気がします。直接の声というのは非常に強力ですし。が、まぁ私は質問できる側にすらなれないんだろうな(笑)