日常系と空気系の背景演出から見た空気系の描くもの

「日常系」と「空気系」についての私見@殻の日々
のmetamoirさんの挙げた作品例を見ていると思いついたので便乗してみました。

自分の考える(狭義の)「日常系」作品は『あずまんが大王』や『苺ましまろ』、『けいおん!』などです。

劇的な物語的要素を極力省き、主に小さなコミュニティ内でのコミュニケーション(=「日常」)を淡々と描くのが特徴です。

一方(狭義の)「空気系」作品は『ARIA』や『かみちゅ!』、『ヨコハマ買い出し紀行』です。

キャラクターを取り巻く、光や音、そして匂いまで内包した「空気」。そんな「空気感」が鮮明に感じられるのが特徴です。むしろ「雰囲気系」などと言い換えられそうなタイプですね。

日常系のBGMはシンセの打ち込みでわりとガチャッと効果的に鳴らします。一方空気系は生音でメロディアスでしっとり聴かせます。(といってもARIAもヨコハマも同じショーロクラブですが)
それに空気系の方は背景(特に自然物)を見せる割合が圧倒的に多いですし、イメージBGの使用率は断然日常系の方が高いのではと。
アニメの映像、音楽は日常系の方がコミュニケーションという日常を描いているにも関わらず非日常表現されており、空気系という光や音、匂いという目に見えない、いや存在するかどうかも不確かなものを描くために現実的な表現を徹底しているのは面白いなぁと思います。
人間工学的にコミュニケーションする上で周りの環境なんて正確に捉えていないとかそういう話に通じる気がします。そして一歩引いてみることで、またはシチュエーションを映像に映すことでやっと空気というものを感じることができるという。こうして考えていくと空気系アニメは写真の鑑賞に似ていますね。普段はなんとも思っていない出来事も切り取って見せられると感動してしまうという。
まとめると普段生活している日常では空気なんてものを気にしないけれど、ふと視線をそちらに向けた瞬間に世界の空気を感じることができる。というのにアニメの演出も則っていますというだけのお話でした。
あと今回例に挙げられた作品のBGMについて、2chのサントラ分類で面白い画像があります。それについて以前触れたのでもし興味があればどうぞ。
サントラ分類についてのメモ@Daisukのよ〜わからへん!