とりあえず一日一本ペースで飽きるまで映画を観るつもり4

ニューヨークに怪獣が現れて人々が逃げ惑う。そんなゴジラのようなシチュエーションだけれどスポットは逃げ惑う人々に向けられている。一般人がたまたま持っていた一つのハンディーカメラでその様子を撮っているのがこの映画。怪獣版ブレアウィッチプロジェクト。
視聴感覚としてめまぐるしく動くカメラワークやレイアウトは洋ゲーCGパート+日本の怪獣特撮映画と言う感じ。シームレスに街並みを逃げる様はバイオハザードもしくはfallout3といったところ。時間も一時間半よりも短くて、密度の濃いゲームもしくはCGムービーといった感覚。あっとゆー間に終わったなぁと。普通に魅入ってしまった。
基本的に字幕派なんだけれど画面が揺れまくってるせいで字幕を読むと酔いかけた。視聴5分で吹き替えに切り替えたんだけれど、最後の方の演技が酷すぎて字幕で見た方が良かったかもと後悔。

まず一番ビビったのがニモが主人公じゃないこと。人間に連れ去られたニモをオヤジがファインディングする話だった。ウィキペディアの一項目「映画の影響」で人気が出たカクレクマノミの乱獲により映画のニモのような境遇が増えたとあって面白かった。ですよね。
公開が2003年らしい。もっと新しいと思ったけれど、2003年以降にテレビを見なくなってピクサーの新作もまともにチェックしていたんだから当たり前か。
物忘れが激しくて何度も主人公の名前や目的を忘れる(そして繰り返す)ドリー@室井滋のウザさが面白かった。このタイプのキャラってディズニーというか海外のCGアニメでは絶対いるよなぁと。ベタ&天丼だけれど、室井滋のおかげか本当にウザイという感情しか沸かなくて、それが妙に面白かった。

やっと本格的にいい映画を見れたかも。細かいことを考えれなくなるぐらいの没入度の高い映像と展開。わかるようでわからない直感的なミュージカルの皮肉の塩梅が心地良い。映像のメタファーと選曲センス、押し付けがましい説明も無くてスゴクいい。
内容はよくあるパロディ&ブラックジョークを使った風刺というか皮肉の塊のような映画。このタイプにありがちな下品なネタが殆ど無くて子供も楽しめそうなのが良い。おもちゃのようなセットは絵本の文脈に近いものを感じる。
色やセット、衣装と言った小道具それ自体が皮肉という作りというか語り、メタファーをやっていてそこに注目してみるのも面白いだろうと思う。こういうのを見るとアニメにこだわる自分があほらしくなるかも。