とりあえず一日一本ペースで飽きるまで映画を観るつもり3

光の当て方がかなり凝っていた。未知との遭遇みたいな特撮臭。ライトの色を心情とリンクさせたりと意外と撮影演出映画だったんだなと。自転車空飛ぶし、ETリアルだし。
冒頭部分がとても面白かった。宇宙人が地球人の文明にビビる。急に車が写って混乱する宇宙人。山狩りの火(ライト)なんかけっこう怖い。だんだん近づいてくる。大人たちの表情は見せないというのがいい。宇宙人の低い視点とか、キーホルダーのチャリチャリとする音にビビるとか。キーホルダーの人は山狩りから解剖、そして見送りまで通しているのだけれど、童心にかえっているというか、ループものにも見えた。
カエルの解剖と酔っ払うシーン。子供と宇宙人が感覚を共有するのだけれど、映像も交互にリンクさせていてわかってるなと。しかし宇宙人がキッチンにぶつかったときは包丁が刺さるんじゃないかとハラハラしたなぁ。
あと兄貴かっこよすぎだろ。兄貴の行動見てると弟のことを常に考えているのがわかって泣きそうになった。

恋愛映画と思ったらコメディーだった。連れて行かれるCGとカメラワークなんかも。一番初めの廃墟のカメラワーク、タイトルのゴーストだけ見ると、すでに幽霊がいるように見える。これはフェイクでもあり、死後の世界の提示、伏線でもあってよくできてる。
陶芸を使ったSEXシーンが超エロイ。というか時々見る映像の陶芸ネタ、どこかで見覚えあると思ったらゴーストだったのか・・・もっと昔の映画にもあるかもしれないけれど、自分が見覚えあった一番古いシーンは多分これ。
しかしまぁ死亡フラグとか、幽霊が扉を透けるようになる、物を動かせるようになるというゆうにひとつずつ階段を登っていく展開はなんともアニメ的だ。エンタメのシナリオなんてそんなもんかもなとか。どう考えても主人公の幽霊は能力を使って間接的に二人も殺して悪霊化してるのに、最後天に召されるとか完全にギャグ。伏線もあったし、コメディーを得意とした監督の皮肉だったのかなと。

日本映画をほとんど見てこなかったので山田洋次監督の作品を初めて見た。とりあえず岡村隆史の演技はこの武田鉄矢をマネしてるとしか思えないぐらいシンパシーを感じた。
見ていてものすごく人間臭いと言うか、高倉健は別格扱いだけれど若者二人のどう仕様も無いぐらいの人間の恥ずかしくて汚い部分を見せられてげんなりしながら、それでも人情味あるところをさらっと見せて視聴者にフォローを入れてる部分に感心した。
冒頭の工場を辞める下り、工場長の声は騒音でかき消えて主人公の声だけ聞こえるのは面白かった。ロードムービだからBGMとしての歌謡曲がラジオで流れたり歌ったりとアメリカ映画っぽいなぁとかぼんやり思った。高倉健が夕張に行きたいと思うところ、あらかじめ黄色い看板や鯉のぼりを見せているのがよかった。アニメだったらわかりやすいように、背景の手間と言った理由から完全にアップで見せるんだろうけれど、背景に溶け込んでいて気づきにくいのはいいのか悪いのか。