とりあえず一日一本ペースで飽きるまで映画を観るつもり2

序盤のカメラワーク、長回しで町内をなめるようにカットを割らずに見せるのが楽しい。特に事前にカットを割って見せた舞台のメインである鈴木オートと茶川商店が実は向かいだったとわかるカメラワークはやられた。
とりあえず車も電車もすべてはめ込みで、FF8のゲームプレイ画面+外CGシーンという処理を思い出した。相変わらず日本映画のCGは浮く。クライマックスのセリフ&シチュ合わせは基本的だけど熱い。シナリオがアニメかと突っ込みたかったけれど、最後の夕日バックとかも。こういうあざとい脚本は実写だと浮く。気恥ずかしい。洋画は別世界だから可。嘘を書けるアニメは素晴らしいという結論。あと表情が読めない二次元脳。
全体的な構成としてはヒューマンドラマになってしまったけれど冒頭から中盤にかけての三種の神器に騒ぐ人々を描く部分といった懐古的な描写はマイマイ新子よりも好き。生っぽくて。

映画の大半を空爆に使用していて部隊や戦況や立ち位置といったの周辺情報を極力廃した作りが見事なエンタメ志向。
中盤〜後半にかけた次々と障害に襲われるといった大げさなアメリカ映画的な展開はさておき、序盤から徹底して今回の出撃で退役できるとしらされて浮かれながらも死を意識し、恐れているのが印象的。最後の任務が激戦地のドイツであることを知らされて、フランスならよかったのにと軽口をたたきながらも本音を漏らすあたりにぐっときた。

社会風刺アメリカン・ヒーロものー→探偵もの→ヒーロー衣装のポルノムービー→カンフー映画→ときて某年代の少年を思い出しながら黒マントでナルシーでシスコンを見てるかのような目まぐるしい展開。
物語が始まる前のスタッフクレジットで説明もなく昔の映画の表紙のような絵(というか新聞ないしメディア)だけで情報を出したり、シーンに結びつかない選曲センスといいイカれた作品だなぁと思いながらも、すべてが皮肉で笑い飛ばすような作りに海外らしいセンスを感じる。
舞台がいろいろ飛んであまりうまい見せ方ではないなぁと思いながらも、原作は章立てたものらしいので四苦八苦した結果なんだろうなぁと。スマイリーマークの使いかたが非常に良かったけれどもっと多用しても良かったんじゃないと思わなくもなかった。しかしながらよくできた話だと感心する。最後にやられたというか、単語ひとつで今までのパーツがつながる構成は見事。