2009秋アニメ新番組感想6

同じ中村健治監督のモノノ怪のようにカットごとにSEを入れる演出が特徴的。聴覚は生理的感覚に効果があるのでSEでリズムを作っていれば映像が独特であってもなんとなく見るだけで十分面白く見れるし、またそのように気をつけていると思う。
上記演出や実写コラージュオンパレード、ダンボール人間のモブなど尾石達也がシャフトでやってきたことを一層濃くしたような作風だった。実写の人物を使用する際に、立体感をなくすために人物に強い光を当てるような処理(プリクラの照明を想像するとわかりやすい)を用いている。尾石達也のような少ない実写で強烈なインパクトを与えるのではなく、アニメーションに溶け込ませるが多用することで映像に違和感を持たせるという方法を採っているのかな。ただしナースのアニメ→実写のモンタージュはちょっと生理的に嫌だった。ギャグだろうけれど。
非常に面白かったのだけれど、良いとも悪いともとれる今回の実験的映像手法の主観的判断が悪いほうに転ぶ大きな欠点がある。
「福井っち」(福井謙二
これだけは本当にいただけない。BGMを巧みに使用し、この福井っち登場シーンに細心の注意を払っているのはわかるのだけれど、精神科の専門用語・知識を説明するために本編の時間を止めてメタ的に登場させるその手法があまりに酷過ぎる。耐えられない。このせいで他の実写演出などによる特殊な視聴感覚全てが負の方向に転びそうになるのを何度も我慢した。ぐらいに耐えられなかった。
というかあの程度の知識説明しなくてもいいだろうorz視聴者馬鹿にしすぎじゃないの・・・と思ったけれど、そうか、あれはよくゴールデンとかにある豆知識バラエティなんだと今更気付く。

惚れっぽい女の子女の子したウェーブのかかった百合っ子(といってもかわいいモノ好きの延長)と、幼馴染で背も高く男っぽい百合っ子に一途だが告白できない主人公という二人を軸にした話はガチ百合に属するけれど、アニメ版青い花の次にアニメ版ささめきことを見てしまうと見てられない。
音響が耐えられない。安いアニメ調の色彩が耐えられない。デフォルメ調のくずしにセリフのやり取りが耐えられない。
マンガだと普通に面白く読める気がするのでその方向で。