深夜の秘密基地、久石譲ゲスト回テキストあげ

  • 音楽をやって一番感じることは、言葉の度合い、重みが音楽で出てしまうのが怖い
  • 重要なシーンに音楽をつけていいのかつけないほうがいいのかをよく考える
  • 映画は二時間、あたかも交響曲のように組み立てる。音楽をつけたほうがいい、抜いたほうがいい、こういった沈黙をつけるのも作曲のうちだと思う
  • 音楽もふったら落とせがある。
  • 監督の意向と食い違っていたら、話し合います。ただしだいたい任せてもらえます。
  • 台本を見てから感じるインスピレーション、初めて監督にお会いしたときの話の印象、きちんと編集していないときの映像で感じたテンポなどを頭に入れて、音楽を作る。
  • 出会ったなーという監督は宮崎駿さん。はじめはオームだとかフカイだとかを一時間説明されてポカーンだった。絵コンテも読めなかった。でも説明過多でなく、いろいろなバックボーンを説明しなかった。映像はどこまで省略できるかが勝負だと思う。それは見る側のイマジネーションをついてくるんですけれど、やりながら、あ、こういう感じとはならなかった。だからレコーディングの日までハイテンションでやらなければついていけなかった。〜中略〜それからずっと宮崎さんとやっているけれど、コンビとかではなく、ずっと任せてもらえているけれど、毎回要求に達するように精いっぱいで緊張する
  • 言った通りをやってくれという時は・・・おりますね。ただし比較的出会わない。
  • 海外では編集用にいろいろな音楽を当ててある。今は編集する映画の人でなにも音楽をつけずに映像をつなぐ人はいない、(仮音楽を入れて、その)音楽のリズム感で編集していく。フランスも中国も日本もすごく多い。僕に頼む時に、僕の音楽を使う人もいるけれど、違う音楽の時はコノヤローと思う。
  • 映像と音楽が一緒になって最初のコンタクト、出会った最初の印象はみんな消えない、怖いよ、消すのは難しい
  • シンプルに作らないと、動きを合わせないといけないから、それがうまくいっている時は、異なる作品の音楽でも同じ動作の印象を持たせる。
  • 明快なところよりは、経過するところ、そういったシーンは間が持たないから必ず音楽を入れてくれって言われる。
  • 二時間の間構成すると、テンション高い、薄いところ、これはいいんですけれど問題は、何も起きないところ。ここに言われたらあったよねというような音楽をさりげなく書けるか書けないかがプロの分岐点?これがないと間が持たない、たとえばお父さんが帰ってきてご飯を食べて、今日はなんだった?というシーンで、「ここちょっと音楽書いてください、茶碗の音だけではさびしいので」これをさりげなくこなさないと、親子げんかといった次につなげられない。テンション高い音楽だけだともっとやらないといけなくなるから、最小点と最大点といったこういったつなぎが鍵
  • 音楽の打ち合わせで、二時間の映画だとM20~M30ぐらいの量で入れる場所を決める。たけしの「はなび」でM10で楽だと思ったら9:50秒の音楽があって、平均5〜7分で、入れる個所は少ないのだけれど、入れだしだら長い。音楽の総量規制みたいなのがあって、実写二時間ものだと45分〜1時間入る。その中で全部が分厚いフルオーケストラのようなのであったら人間が疲れる。そこですごく落としたもの、中間のもの、主張の薄いもの厚いもの、このバランスがとれてないと頭に、耳に残らない。曲数が少ないと、そういった要素を入れないといけない。そうすると曲数があるほうが楽。