よかったね

マリア様がみてるの小説なんかを最近読み漁っているのですが、テレビを見ても泣かなかった「パラソルをさして」で泣きました。
清子小母さんが祥子の状態を説明して、祐巳が「あぁ、もういいや、自分はこんなに愛されているんだ」って。
それまで祐巳が祥子に捨てられたといった気持ち。何か祥子が大変な状況で、周りがなんとなく沈んでいる雰囲気。清子小母さんが祥子が弱っていく様子を説明していくという暗くなるはずの状態で、だんだんと祐巳が祥子の気持ちに気づき、心穏やかに喜びを噛み締める様子に、本当によかったねと涙が止まらなかった。
死んだり、悲しいといった涙が多かった中で、本当に純粋に、ただよかったねと涙を流せた作品なんてほとんど無かったのではないかと思います。
でも、小説だから泣けた。アニメは駄目。とかそういうわけでなく、原作だからよかったというわけでもないです(ちなみにアニメ→CDドラマ→小説の流れです)。
小説を読んでいて、アニメになかったシーンとか心理描写とか、多くのものが見つかります。ここはカットされて、ここはつなげてとか、そういったこともいろいろ見えます。でも、登場人物の声はやっぱりアニメの声優さんで、キャラクターの心理も小説もアニメも同じで、ただ、それを字面で読むか絵や声や話の流れで自分で作るかの違いなんじゃないかなぁと。
でも、そういった表情・しぐさで見せれそうなパラソルの場面は文字のほうが感動したし、三人の独白をひたすら盛り込んで小説をかなり忠実に再現している「いつしか年も」では間違いなくアニメのほうが感動したので、ほんと、人の情動って難しいんな、なんて思います。