乙女はお姉さまに恋してる2

おとボクを二週目見ました。まぁはまっていないといえば嘘になりますがいろいろと述べたいことも出来ました。議題は
「かしましとどう違うか」
です。
またかしましかよ、とお思いでしょうが正確にはかしましで描いたものとおとボクで描いたものは全く異なるということを、おとボクのキャラクターを通して書きたいかなと。
ちなみにこの記事本編は「なぜキャラクターが立っていないか」「おとボクは何を描きたいものなのか」といテーマで書かれたものが、書いている最中に紆余曲折してこのタイトルになりました。なので非常にまとまりのないものとなっている可能性があります。

  • 瑞穂

流されるままにエルダー選挙を終え、紫苑の後押しによりエルダーになることを決意。そして幽霊一子を母親の忘れ形見として悩みを解決します。
そのまま貴子にエルダーとしてと言われ続け、秋の意義申し立て以降自分の主観でどんどんとエルダーとして活動していきます。
エルダーとしてみんなの悩みを解決し、男とばれた後も皆が楽しみにしているダンスを台無しに
しないよう貴子にお願いしたのは自分がエルダーであることを自覚しているからです。
貴子にエルダーとして正しいことをした、エルダーとして立派、エルダーとして最後まで責任を取りなさいといわれ、偽ったことが貴子を傷つけていないことを理解した瑞穂は学園に残ることを決意します。

  • まりや

はじめは右も左もわからない瑞穂を助けていたが、エルダーとして皆の悩みを解決する姿を見てもやもやします。瑞穂は全校生徒の前で主役を張るが、自分はたかがクラスの出し物のナレーションの役。
自分が追い抜かれたから嫌なのか・皆に優しいから嫌なのか。
貴子とのキスシーンを見て自分だけの事を見てくれない瑞穂が嫌だということに気づきました。
自分の気持ちに気づくも二人の自然な距離も理解しているまりやはこのままでいようとします。

  • 貴子

エルダーとしては不足な人物だと思っていたが、意義申し立て以降は自分の敵か味方かと言う個人的な想いに変わります(というよりはエルダーとしては十分の風格が出ているとは理解している)。
そして劇で助けられた結果、自分の気持ちに気づきます。
女の人を好きになった自分。しかし自分を誘拐犯から助けてくれた好きな女の人が、嘘を吐いて女子高に通う男だとわかり衝撃を受けます。
瑞穂がエルダーとしてけじめをつけるためにダンスを最後に学園を去ると宣言され、誇り高いエルダーが男性である事実・しかしエルダーとして十分の素質を持っていることを知っているという事実・そして自分が好きになった人であるという事実・自分の信じる正義には譲らない、常に生徒の手本となるべき生徒会長という事実に自分がどうすれば良いかわからず泣き崩れます。
貴子は様々なしがらみを振り切り、残って欲しいと伝えます。

その他のキャラクターは完全に惹き立て役と化していました。それぞれスポットライトを当てていましたがむしろそれは全て瑞穂のエルダーレベルを上げるための経験値扱いにしか思えませんでした(ただし原作ファンには十分魅力が引き出せているのでしょうか?)。

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と、こうして書くとこの三人はきっちり心情が描かれています。というよりはこの三人にスポットを当てられて作られたのだから、これは当然といえば当然なのです。さておとボク、キャラクターの心情はありますが、そこにぐっとくるものがありましたか?キャラクターの魅力と言い換えてもかまいません。
私は瑞穂とまりやにはそれが感じられませんでした。瑞穂は7話あたりでエルダーの自覚を認識してからは完璧超人となりました。みんなが悩んでいるのを必ず察知し、それぞれの立場に立って解決していきます。彼という個性で発言しているのではなくエルダーという立場で発言している感じさえ受けるほどに。エルダーになっていく姿は丁寧に書かれていましたが、その結果後半に繰り広げられるまりやと貴子の恋愛話が一方通行というか、片思いの二人の物語となったわけで、瑞穂が全く絡まずに話しは完結してしまいました。
またまりやは確かに悩んでいましたが自分の気持ちに気づいただけですよね、あれ。その過程で少し距離を感じたりするという演出は嫌いではないのだけれど、でもそれで?どこをどうやって情動を感じれば良いのか。正直よかったね気づけてという気持ちはありますけれど、それは別に心ゆれることないです。しかもアレだけ引っ張って今の自分の距離はこれだと納得してこの悩みは完結してしまうなんてショボ過ぎませんか?
そもそも二人が恋に気づくのがシリーズ後半で、しかもそのころには主人公はすでに色気とかとは既に解脱してしまった状態でまともに恋が進むわけはないのです。
一方かしましではどっちつかずな主人公を相手に二人がやきもきする話で、かつ主人公は女性となることで色恋沙汰とは解脱しているわけですが、冒頭で既にその状況であるために恋へと話が進んでいったわけです(ただしそれは13話でようやく結ばれるわけですが)。
つまりおとボクは設定こそ最終的には似た状況になりましたが、最後の段階でようやくかしましの冒頭部分の恋愛設定となったわけで、かしましのような恋を通して純愛を伝えるような話では全くないということです。
そのためかしましと比較した際、恋愛感情という点でまりやや瑞穂加えて貴子にぐっと来るものがない、つまり魅力を感じなかったということです。

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すみません、バイトです。貴子を含めて、ではおとボクとは何を楽しむものだったのかは次回ということで。