プラネテス

プラネテス公式HP
Q.なぜいまさらプラネテス
A.時間とお金があるから(というよりはこれがラスト)
実際そろそろ本気で勉強しないとマジでプ〜になりかねないので、部活やめたラストのアニメ連続シリーズだと思う。いや思いたい。(ちなみに逃げ道として一日一話ぐらいなら〜とか現放送はいくら見てもOKとは思う)
で、なぜこれを見たかというと昔から見たかったからである(ただし最近まで忘れていたのだが)。
なんせ放送していた時期が思いっきり受験の前年の10月〜受験の4月。そりゃまともに見れません。しかも土曜の朝だし。思いっきり勉強してたっちゅ〜ねん。え?何で知ってるかって?そりゃ3,4回見たからでんがな(’でんがな’は無い)。でも全部見たのでなく、休憩中たまたまチャンネルを回していて見たぐらいで、一から全部見たことは無かったです。そもそもなんてアニメかも知らなかったと思います。
その後大学入学後に隣の部屋の人に薦められ、貸してくれたのがプラネテス(漫画)でした。いや〜おもしろいおもしろい。ゴリゴリした地に足の着いたSF的世界観。クセだらけのキャラクター。自分の夢のみを追いかけるハチマキが全てを愛で語るタナベにより、世界に折り合いをつけていく様が非常に面白かったです。
で、自分が見ていたアニメがプラネテスだということに気づいたのですが、まぁいろいろ忙しかったのでまともにアニメなんて見る暇もなく、いつの間にか忘れ去っていました。
で、最近時間が出来たので見たかったアニメなんぞを貪るように見ていたわけですが、まぁ見つけたわけですよ。
内容はまったく覚えていませんでした、えぇ。でもEDの曲のシーン。アレだけは非常に覚えていました。歌詞の意味も何も気にもしてなかったのですが、あれってものすごく応援してくれているんですよね。受験期と併せて、だから覚えていたのか何なのか。とにかく少年が走っていく姿とバイクの走る姿、そして音楽が鮮烈にフラッシュバックしました。
さて感想ですが面白い!デブリ屋という職業を企業内部に上手く組み込み、社会とのつながりを見せることで部署内の確執や世界の主義思想などがより明確に描かれていました。タナベの変化が顕著で、普通の社会人一年目の女性として描かれており、そこで上司のハチマキや他の人たちの主義等に触れ、成長していく物語りも加えられました。(原作では基本的にはハチマキの成長が主で、タナベはそれを支えるという立場であった。)また音楽の使い方が秀逸で、和楽器を用いた緊張感のある表現は鳥肌物です。本当に不快に、緊張する音ですのでそういったことに興味がある人は見て欲しい作品でもあります。
漫画版でのタナベはもはや聖女様レベルであり、これが一つのプラネテスの魅力でしたが、アニメ版タナベは非常に人間的に魅力がありました。またアニメ版のスタッフが世界観を練り、積み重ねることでどうしても原作とは異なっていくのですが、でもとてもすばらしい作品に仕上がっています。谷口悟朗監督のインタビューに
「それに加えて視聴者の数。TVという媒体が大きいため、原作を知らない人達にも見てもらいたい、楽しんでもらいたいと考えると、作品の入り口、つまり理解度をやさしくしてあげる必要が出てきてしまうんです。媚びる、という事ではありませんよ。星雲賞を取った作品に対して、あえて挑戦的に言わせてもらうと『SFかぁ、難しそうだなぁ』と観客に思わせるとダメなんですよ。原作ファンを無視するわけではなく『あぁ、こういった作品もあるんだ、原作も読んでみようかな』と思わせたい。原作の幸村さんがとても柔軟な方で、自由にやらせて頂いていますから、こちらとしてもプラネテスの世界を広げる手助けをしていきたいな、と考えています。」
とありました。プラネテスという作品をアニメ版のスタッフで魅力的にすることで、原作の世界が広がるという事ですが、まったくそのとおりです。スタッフが異なり、表現できることが異なるため、同じ様に見せかけてもそれはただの劣化コピーにしかならないのです。
ただし原作の話を少し変更させてオリジナルな展開にさせているだけのような話では駄目です。アニメ版のスタッフが原作が持つ世界を再構築するうえで、アニメ独自の世界を作り出していかなければ、原作ファンも納得がいくはずがありません。そういったことをきっちり守って描かれたアニメ版プラネテスは、確かに漫画版プラネテスとは設定もいろいろ異なるのだけれど、やっぱりプラネテスなんだなと思えるのです。