その 大切な輝きに・・・

ネオ・ヴェネツィアンガラスの職人さんと商品を乗せて暁の兄に届ける話でした。
職人さんは技術に素直に感動する灯里に対して、今の技術は所詮にせものなんですと言う。なんでもマンホームではヴェネツィアは水没し、そのときに蓄積されたガラスの技術は人と一緒にあちこちに散らばってしまったとのこと。今ある技術はアクアにネオ・ヴェネツィアを入植することが決まったときに、ガラス技術も見直された結果、もう一度作り上げたものらしいのです。その結果今の技術はマンホームのヴェネツィアンガラスの技術とは異なるといった批判をお客に言われることもあり、この職人さんもその点は落ち目に感じているということでした。しかし灯里はこの世ににせものなんてないと言い張ります。ネオ・ヴェネツィアも昔のヴェネツィアをまねしただけと観光客に言われることもあるが、街の積み上げてきた歴史も、それを作り上げた人たちやそこで過ごした人たちの思いもまったく異なる、そして、私自身アクアが好きというこの気持ちににせものなんてない、と。
なんて力強い台詞なんでしょうか。あこがれからアクアにやってきた灯里も数年過ごすうちにやはり、アクアという星が昔よき時代のマンホームという懐古的で、箱庭の世界のような、ゆってしまえばある種の自己満足のようなところがあると感じたのではないでしょうか。しかし入植時代の苦労話や建築物(第一期の届かない手紙や水が通る話)、そしてアクアに住むさまざまな人の思いに触れてきた灯里は、今日の台詞に行き着いたのではないでしょうか。第二期はアリシアさん&灯里の組み合わせの話が多く、また灯里の内面の成長が描かれてきました。今回はその集大成的な話ではないだろうかと思います。